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豚汁にしたっていいじゃない

廊下に並んでいる釜飯の釜を見たら、おひとり様客の小さい釜が数個あった。ひとり客が増えているようだ。
私も10数年前に1回だけひとりで泊まったが、そのときは味噌汁の碗も豆腐の碗もサイズが小さくて、夜食のお握りもちっちゃいのが1個だけで笑っちゃったのを覚えている。ワインビーフステーキも1人前だったしな。
その頃と比べて食べる量も飲む量も激減した。昨夜は以前ほど腹一杯にならず、腹八分、いや、九分くらい。朝、早く目覚めて、腹のムシがグーグー鳴っている。
朝1朝2朝3朝4朝5朝6朝7朝8
船山は川魚ばかりです。朝だからってアジの開きなんか出ないよ。海苔も。
ちと余談です。昨夜のイワナ、鱒2種、今朝の山女魚一夜干し、甘露煮、川魚ばかり数匹食べて思いだしたことがあるのだ。
こういうネタを書くとT館主は嫌がるだろうし、またそんなのを検索してるのかと呆れるかもしれないが。
南部町内のさる場所の川魚養殖場に、川魚を狙ってクマが現れているんですよ。
甲斐国のクマ目撃情報は2023年9月12日の時点で99件、人的被害はないようだが、南部町で7件の報告があった。

その①7月12日、18:15頃、南部町大塩区塩沢河根地内、JAセレモニーホールあじさい南部付近におり、山側に逃走した。
その②、7月13日、8:00頃、南部町大塩区大和笠向地内、南部町営バス大和バス停留所付近、民家から約15m先の山際を歩いていた。
その③、7月22日、0:30頃、南部町佐野区上佐野地内、佐野区上佐野地内の上佐野バス停周辺の川魚養殖場の防犯カ メラに映っていた。
その④、7月22日、10:30頃、南部町福士中央区町屋地内、南部町立富沢図書館付近の民家のミツバチの巣箱が破壊されていた。
その⑤、8月1日、8:00頃、南部町佐野区上佐野地内、佐野区上佐野の栃広橋の上にいた。橋を渡って養殖場方面の山に入って行った。
その⑥、8月13日、18:50頃、南部町佐野区上佐野地内、佐野区上佐野地内の上佐野バス停周辺の川魚の養殖場の防犯カ メラに映っていた。
その⑦、8月20日、18:40頃、南部町佐野区上佐野地内、佐野区上佐野地内の上佐野バス停周辺の川魚の養殖場の防犯カ メラに映っていた。

後日譚はどれも「関係機関に情報共有」ばかりで、防災無線で注意喚起、町役場&警察&猟友会でパトロール、町役場で現場検証、町役場と猟友会で現場検証、駆除した例はない。駆除なんてそう簡単にできるものじゃないのだろう。
その①、逃げた山側って身延街道が潜る富沢トンネルの山じゃないの?
その②、街道沿いにある有名な某うなぎ屋さん近くの峠を越えた辺り?あの手前で猿なら見たことあるけど。
その③、富沢図書館は道の駅とみざわに隣接してる辺りじゃないかな。
ここまでは場所を知ってるけど、③⑤⑥⑦は知らない。この4例は同個体かもしれない。養殖場の小魚を狙ってノソノソ現れたんだろうか。
③⑤⑥⑦の上佐野地区って、船山から見て東に聳える山の向こうにある天子湖の相当先の山奥ですよ。
ヒマなのでGoogleMapのストリートビューでWEBドライブしてみたら凄いとこだった。そこへ至るまでも道は狭く、よく住めるなと思った。そこに住んでる人には悪いが。
で、そこの川魚を盗み食いに来たらしいのである。自然の川で捕りなさいよって。
朝9朝10朝11
新しい料理長になってから、前菜全てを小皿に入れて出されるようになったね。前はおひたしや山菜キンピラ、雷蒟蒻、チャーシューとかは台の上にベタ置きだったし。
洗い物がタイヘンかな。
朝12朝14朝15朝16朝17朝18
農協か道の駅で売ってる地元のオレンジジュース?
「この輪切りタマネギは何だ?」
「赤タマネギ(レッドオニオン)だから辛くないわよ」
朝19朝20朝21
そのまま食べたら確かに辛くない。その下には旅館であまり使われない食材と言われている?キャベツの千切りがたくさん。
朝22朝23
でも私の苦手な食材が2つあった。カボチャとゴーヤ、まさかゴーヤが出て来るとは。
チャーシュー小皿に入っていた。引退したら菜園やるけどゴーヤだけは栽培しないぞ。
朝24朝25
ニンジン美味しい。カボチャよりこっちの方がいいな。こういうのなら1本喰えますよ。馬じゃないしもう鼻面にニンジンをブラ下げてもやる気にならないけど。
朝26朝27朝28
味噌汁の具が増えたかな。白菜が入っていたのがウレしい。
チャーシューの脂身が多くなったので、チャーシューを味噌汁に突っ込んで豚汁にしたらジャン妻が目を剥いた。
「またそんなことをして。そのままの状態で食べればいいじゃない」
どんな食べ方をしようといいじゃないか。前にT館主も「いいんじゃないですか。ご自分で構築する船山の楽しみ方」って言ってたもの。
朝29朝30
台の上に小皿でチョンと載っていた青菜、これも味噌汁にブッ込んでやった。
朝31朝33
豆腐が煮えた。今日はやわらかめ。
地元の豆腐屋が廃業してから数年経つ。
どっかの販売ワンボックス販売カーが売りに来てたが、一度きりで来なくなった。
船山の朝豆腐は足軽の陣笠で煮えてからがめんどいけど、私らの生活圏で唯一、マトモな豆腐なのである。パック詰めにして売店で売ってれば買いますけど。
朝34
サラダのサーモンを取り置きしといて、醤油をぶっかけて刺身感覚で頂こうとしたらぜんぜん美味しくないし刺身の感覚がない。失敗だった。これはサラダのままで食べるべきだった。
朝32
そして終盤、いつものように豆腐を味噌汁にブッ込んだ。これで冷めかけた味噌汁がまた熱くなる。
朝35朝36朝37朝38
美味し過ぎてご飯、山盛りで2杯、食べてしまった。コロナ禍の後なので、2杯めは使用済みの茶碗を持ってくんではなく、新しい碗に盛った。
ジャーを開けたら残量が少ない。男性のひとり客が多いからだろう。ツレでもいれば、「それくらいにしなさいよ」、セーブする外圧がかかるものだが、ひとりだど気兼ねなく食えるということではないか。
朝39朝40
葡萄はねぇ、種を外すのがめんどくさいんだよねぇ。
「あげるよ」
「食べなさい」
口の中で舌で皮を剥いて身だけ取り出すなんて器用なことが私にできるわけない。バリッとイヤな音がした。種を齧った。皿上に吐き出すのって品が無い。ティッシュをとってくれぇ。
朝51朝52朝53朝54朝55朝56朝57朝58
ジャン妻は左足に痺れがきている。
痛みではなく痺れ。在宅勤務が続いて運動不足になり、歩かなくなったせいだと思う。
酷暑が続いたので家でもシャワーばっかり。風呂にしなかったからね。船山の湯とオパルモンで幾分、和らいだみたいだ。
「家でもこれから風呂にしたら?」
「そうね。その前に浴槽を洗わないと」
この日の晩から家でも風呂が復活した。

男性のひとり客が増えたせいか、10時過ぎても大浴場に誰かしら人がいた。
顔を当たった。船山の剃刀は各段に良くなった。数年前はカオが血だらけになる安物だったが、T館主もヒゲを伸ばすようになったので我が事と思って剃刀の質を上げたに違いない。
蕎麦宿とどっかの木は剃刀がないので、家から持ってかなきゃならないんだけど。

出る前、ジャン妻と2人で入った清水、ちょっとのぼせかけたのと、清水の湯が熱かったので出て座ってた。
ジャン妻が湯から上がった後、湯が勢いよくドバドバと吹き出してきた。
「何を撮ってるのよっ」
朝59朝60
ムクリと起き上がるプチ公、
「そろそろ出立か?」
朝61朝62朝63
帰りは南部インターから中部横断自動車道に入って新清水JCTから新東名に入ったのだが。
中部横断道はトンネルばっかりで圧迫感があるんだよな。2車線じゃないし。
それと無駄な走行距離だね。静岡方面や西に向かうならいいけど、東に戻る自分たちは下の52号線(身延街道)を走って富士川SAから東名に入った方が楽だワ。
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新しい料理長

いつも地味で暗い料理写真です。
撮る腕が悪いのもありますが、食事処「ふじ」が何だか薄暗いのだ。外も薄暮だし。
でもこれが明日の朝になると外からの朝の陽射しが燦々と差し込んですっげー眩しくなるんだけど。
テーブルクロスは焦げ茶色、ハサミで四角に切り取った茣蓙みたいなランチョンマット、どれも重たい皿は野趣溢れる黒か濃い緑、白いお皿はイワナのちょこっと刺身が載った小皿だけです。
見栄えは暗いけど、ひとつひとつは細かい素材です。どっかの木もそうだけど、仕入れる食材の種類が多い。地産地消を謳っております。
だから海産物なんか絶対に出ないよ。
宴1宴2宴3
ウチらは実家を建て替え中なのですが、
「新しい家でもテーブルクロス敷くのか?」
まさかこういう焦げ茶色のテーブルクロスは止めてくれよと言いたかったのだが。
「テーブルクロスは使わないけど、直置きできない木材になるので別のを」
直置きできない?
「できれば白いテーブルクロスがいいな」
「何でそんなのを。無垢木(ムクノキ)なのよ」
「剥くって何だ?」←アタマの中で書いた字が間違っています。熊が爪でひっかいた木の皮かと思ったよ。
「そのまんまで手つかずの木よ。白無垢とかいうでしょ。塗ったりしてないの」
「ムクノキで変換したら木辺に京が出てきたけど」
「それじゃないわよ。無垢の木って検索したら出てくるわよ」
椋木じゃないらしい。無垢の木なのか。
剥かない木?よくわからん。いずれ引退したら外食が激減して家食が主になるので、それに備えて白いテーブルクロスみたいなのがいいのだが。
「だから熱燗を直に置いたり、氷の入った冷水をそのまんま置いたりしちゃダメよ。ちょっと不便になるけど我慢して」
如何に自分が建て替えに関与してないのがおわかりでしょうか。
これは別ネタにした方が良さそうだと思った。でもこの後の自分の粗相でまたこのネタにリターンすることになる。では料理の写真ですが、何しろ暗いので写真がボケまくりであります。

前菜は茹で落花生、何でこんなめんどくさいのを。バタピーでいいのに。剥くのがめんどいのよ。空豆でも煎り銀杏でも剥くのはヤダ。
「向いてくれ」
(―“―;
宴4
さつき鱒の寿司、甲斐サーモン、富士ノ介、この後出て来るワイン鱒、そしてさつき鱒か。どういう系統なのかね。
宴5
茄子とシシトウの素揚げに黒い味噌が載ってた。
案の定、シシトウに当たったぁ。辛いぃ。籤なんか当たらないクセにこういうにのは良くアタルんだ。
辛いのを鎮めようと、やや慌ててビールに手を伸ばしたら、まだ残ってた食前酒にぶつかって少々粗相をしてしまった。船山の食事処のテーブルは広くて大きくけど横にも長いので、粗相をするとしたら大概、左右にブチ撒けることになる。
家のテーブルにはテーブルクロスは敷かないらしいね。
「新しい家のテーブルには零さないでね。木が無垢だから痛むのよ」
私は自信がない。家のテーブルにこぼして何が悪いのかな。
宴6
モロヘイヤお浸し、モロヘイヤなんて外来種を甲斐国で栽培できるんだ。エジプトだろ。今はもうない上州伊勢崎市内にあったパーラースフィンクスの前はモロヘイヤ畑だったな。
宴7
いちぢくの天ぷら、いちじくって果物でしょ。それを揚げちゃうんだからなぁ。
宴8
さつまいもは大好物のレモン煮、と信玄鶏、
信玄鶏はあってもライバルの謙信鶏ってのはないんだな。
宴9宴10
刺身はイワナとワイン鱒、イワナは小ぶりになったな。前はもっともっと大きかったのに。これは1尾分を2人に分けてるのではないか。
だが、ジャン妻はなかなか刺身に手を出そうとしない。落花生を剝いている。
「早く刺身を喰えよ。嫌いなのか?鮮度が落ちるぞ」
「アナタの落花生を剥いてるのよっ」
宴11宴12宴14宴16
誰かに「刺身で何が好きですか?」とでも聞かれたら、
「馬刺、それも冷凍じゃなくて生肉、それとイワナ」
そう答えそうだがヒンシュクも買うだろう。贅沢だの口が奢ってるだの、そんなん何処で食べてるのかって。

紅色のワイン鱒、若女将から「ワイン葡萄の皮がエサに混じって・・・」そう説明を受けたと思います。
クセはまったくないです。ジャン妻も「美味しい」って。「早く食べろよ」とせっついたらあっという間に3つ食べてしまった。
クセが無さ過ぎなので、何か味変が欲しかったりする。
ワイン鱒も富士ノ介も甲斐サーモンも人間が作った魚といってもいい。淡水魚の養殖にはちと残酷な側面があるのだがここでは触れないでおきます。
宴15
宴17宴18宴19
鍋が煮えてきたので、甲州ワインビーフしゃぶにく薄切り肉を大量にドバドバっとブッ混んだら、
「ちょっとっ!」
「???」
「そういう食べ方はしゃぶしゃぶの食べ方じゃないわよ」
ちょこっとずつ浸して、泳がせて、まだ赤い状態で食べなさいって。
残り最後の3枚を投入しようとしたら、
「止めてっ。それはアタシがしゃぶしゃぶして食べるのっ」
私のは単なる煮食いでしかないというのである。煮過ぎてヤダって。肉に火を入れて何処が悪いんだっての。
「泳がすようにするのよ」
宴20宴21
猪鍋と違って牛しゃぶは根菜が無いからね。だからそんなにお腹いっぱいにならない。足らないってんじゃなくて、今の私らにはちょうどいい量です。
宴の乾杯は瓶ビール、生はNGと頑として譲らないジャン妻です。
そのクセ「ビールもういいよね。白ワイにする?」一方的に決めつけられる。
宴22宴23
イワナの素揚げと一緒にT館主が初めて見る若いのを連れてきた。調理学校の実習らしい。
「例のヘンな質問しちゃダメよ」
「ヘンな質問って何です?」(館主)
「給料幾ら貰ってんだ?って」
結局質問してしまった。
「自分、インターンなんで」
就業体験ですね。
「ああ、無給なんだ」
カリキュラムに設定されて、6時間なんだそうである。T館主は厳しいので有名だから、この宿で苦労すれば他の何処へ行っても通用するかもよ。
あんまり言うとジャン妻に怒られるから止めよう。
ウチも薬学部を実習で受け入れてるけどそれと一緒か。人事部の方から「ジャンさんは学生さんに近づかないでください」って釘を刺されている。
彼は来春には正規雇用で入るのかもしれないぞ。そのときにいたらまた会おうぜ。
だけどちとあの若さでちと〇り過ぎだな。節制した方がいい。
料理人って味見するからついそうなりがちなのかな。
宴24
素揚げのイワナに添えてある石っころを関内の何処かで見たことがあるぞ。
湯場に上がる階段の縁と、消火器が置いてあるところと、確かロビー前、八角形をハーフカットしたスペースの窓際に敷き詰めてあるバラストかもしれない。
船山川の石かな。
身延線のバラストじゃないだろうな。
宴25宴26
イワナはいつもより塩加減が薄かった。でも私にはこれでいいと思った。もうちょっと揚げてパリパリ感が欲しいところである。
マルっこい天ぷらを齧ってみた。
「芋かな」
「銀杏でしょ」
それはわかっている。
「茶色いヤツ」
「椎茸でしょ」
椎茸だったらそっちに廻してるよ。
「あ、栗よこれ」
栗か。暑いけど季節上では秋だからね。ということは今日の釜は栗ご飯だろうな。
宴27宴28
甲州ワインビーフのロービー(ローストビーフ)
どっかの木みたいな超薄切りまでいかないけど。
宴29宴30宴31宴32宴33宴34宴35宴36
この辺りでオカしなことに気が付いた。今まで気が付かなかった自分もどうかと思うが、BGMが流れてないのである。流すの止めたか。
外から川の音と虫の音が聞こえてくる。まぁこれでいいか。自然のBGMだからね。
ヒグラシが鳴いていた。
その声は夏の終わりを意味する。
もう9月だぜ。猛暑、異常気象のせいかな。
今いる「ふじ」が暑いのはどうしてかな。エアコンも旧くなったんじゃないか。部屋や廊下についてる家庭用のエアコンの方が効いてるもの。
ちと宴から逸れますが、館内のエアコンが効いてる、これって大事、やっぱり船山はホテルなので、滞在する客が館内をウロつくわけですよ。だから部屋だけでなく館内全体を快適にしなてはいけないのだ。
「だからさぁ、どっかの木なんかはさぁ」
悪態が始まった。
「階下でくつろぐ場所なんてないし、宿の中はエアコン切っちゃってるんだよな。Mさんってケチだよな」
ケチなんて言ってしまったが、そこは個人の家とホテル・旅館の違いだろうな。
船山でどっかの木との違いをあげつらってもしょーがないのだが、それだけ館内は快適だってことです。でもこの食事処だけ妙に暑いのだ。
燃料費の高騰と併せて電気料金の値上げも痛いところであろうよ。
宴37宴38宴39宴40宴41宴42
「本日の釜飯は・・・」(若女将)
「栗でしょ」(ジャン妻)
せっかく若女将が言いかけたのに遮ってマウントするのはジャン妻の悪いクセである。
イワナ素揚げに栗の天ぷらが添えられてあったので、釜飯も栗ご飯だと思い込むのはいいが、自己顕示でひけらかすのは披露するのはよくない。
宴43宴44宴45宴46
彼は料理長殿です。初対面です。
「長年、当館を可愛がってくださってるジャン様」と紹介された。それでいて館主は「ネタにされかねないからなこの人は」警戒するよう彼に諭したに違いない。表情が固いもの。私が如何なるアブない客だということは彼にも伝わっているようだな。
それでも「ボカしてくださいね」っていう条件で掲載オッケーです。
宴46-2
さきほとの恰幅のいいインターン君と違って長身の細身な方だった。コックスーツなんだけどコック帽を被っていないのは、宿が山の宿、山川の幸で占められるのと、100%洋食屋じゃないからだと思う。
スラッとして武術家みたいである。舞踏家かも。さっきのインターン君と違ってちゃんと腕を前に組んでいる。インターン君が手を前で組まなかったのは、単にお〇が出っ張ってるからかもしれないが。
「何処に住んでんのさ?」
ホラ、固まった。何処まで答えていいのか目で館主に伺いを?まさかこの館内に住み込みじゃないよね。長く付き合うにはある程度の距離を保った方がいい。
館主は彼に替わって「ウチで用意した寮で」とか仰っしゃっていたが、南部町に賃貸物件なんてあったか。身延町のどっかだろうな。
廃屋か古民家をリノベした1軒屋かも。
「料理長が貴殿に替わってから、手打ち蕎麦が粉っぽくなくなった。喉越しがよくなった」
何か誉めなきゃと思ってそう言ったが、基本はこれまで出していた料理の継続なので、それらを磨いたうえでオリジナリティな何かを加味するんでしょうな。
明日、もうひとつ、誉めるまでもないことに気づきます。
宴47宴48宴49宴50イワナつみれ
イワナのつみれだと思いたいです。
宴51宴53宴54
デザートも適量、焼きプリンみたいなの。これくらいの量と甘さならオッケーです。
来る前日、館長から電話があってお料理の確認だったんだけど「以前ほどそんなにお食べになりませんよね」って言われたんだったかな。
確かに前の量はもう喰えない。でも若い頃(・・・ったって40半ばか後半からだけど)はそんなに食べてたかと思った。
「今回は任せますよ」と言ってワインビーフのしゃぶしゃぶになったんだけど、結果、お任せしたことでホントにちょうどいい量になった。
宿とともに齢を重ねているので、宿側もわかってくれてるのである。
夜1夜2夜3
二次会で酒を喰らうプチ公だが、こヤツは身体が小さいのでそんなに飲めないし、アルコールが回るのも早い。
ググググ、ブブブブ、ブリブリブリブリ、妙な音がすると思ったらジャン妻がマッサージチェアにハマっていた。
「ホントにハマってるな」(プチ公)
「何ですってっ?」
「椅子が壊れるんじゃねぇか」(プチ公)
「お黙りっ。痛っ」
実はジャン妻、左足に痺れがきている。痛みではなく痺れがある。もうトシだということ。
夜4夜5夜6
ブラックアウト、いきなり灯が落ちた。

200円/1L

どなたかのBlogにコメントしたとき、昨今のガソリン高騰ネタで「そのうち1Lあたり200円になりますね」と書いた記憶がある。
半ば冗談もあったのだが冗談ですまなくなってきた。
ガソリンスタンド1
船山温泉に向かう前、地元のGSに寄って給油したときの価格がこれですよ。
ガソリンスタンド2
レギュラー181円/1L、ハイオク192円/1L、
半分入れただけで5000円ですよ。満タンにしたら1万円いくだろう。
スタンドのオヤジがポイント還元しましょうといろいろ言ってきたが固辞した。入れるだけ入れて現金で支払った。
「高いわねぇ」
「ったくだ」
普段、平日は運転しないし、休日も地元で生活用品の買い出しなかりであまり遠出をしない私たちです。遠出ったって最っも遠くて会津でしょうな。船山やどっかの木は生活圏内とプチ旅行の微妙な境目なのであります。
今日は海沿いを走り、熱海から山道に入り、下ってKIYAでランチして、東駿河湾環状道路経由で東名に入って、富士川SAにくっついているスマートICで身延街道に下りたのだが、富士川SAのGSで200円が光っているのが見えたのよ。
「ゲッ、200円だってよ」
「!!!」(ジャン妻)
ホントに200円/1Lだったのである。スマートICレーンに入りかけてたので写真は撮れなかったけどね。
「これも静岡価格じゃないの?」(ジャン妻)
前から静岡県のGS単価は高いなぁと思ってたのだが、こりゃ200円超過するかもな。210円とか。
今のくるまはハイオクなので、高速道路価格とはいえ現実にそうなったかの感を新たにした。
金曜の地元生活道路は混むので「高速上がってから給油すればいいかぁ」なんて言ってたんだけどね。
宿入り1
船山温泉敷地内に入ったところ。
T館主の片腕、Kさんが出迎えて、荷物を持って先に歩いて行かれた。
14時~15時の間に入りますと言ったのだが、道が空いてて14時前に滑り込んでしまった。最初の頃は13時にINしないと同じ宿泊料金なのにもったいないみたいなカメツいところがあったが、最近はそう思わなくなってきた。15時でいいと思っている。
宿入り2宿入り3
富士川スマートICで下りて宿に来るまでに、かつてあった2か所のスタンドが潰れていたが。
南部町は1Lあたり幾らなのかね。
政府は価格/1L=175円/1L程度に抑える方向だという。レギュラーガソリンの場合ね。でも175円だって適正、適切なのかな。
ガソリン価格が160円を3カ月連続で超過したんだから、トリガー(※)を発動していいレベルではないのか。それと、ガソリン税プラス消費税の2重課税がオカしいんだよな。
S財務相は8月29日の記者会見で「トリガー条項の発動は見送る」って。
政治家さんにとっては、175円は高くない数字らしいね。意地でもトリガー発動とガソリン税撤廃はしないつもりのようである。
K首相や議員様たちはお給料が高いし、普段は自分でガソリン入れたりしないでしょう。スーパーで買い物する事も皆無だろうし、物価高騰で家計を圧迫する実感が湧かないんでしょうな。他人事なんだよな。
取ることばかり考えている。国民の生活が多少なりとも楽になる施策をやって欲しいものだ。

「※ガソリンの平均小売価格が1Lあたり160円が3カ月連続で超えた場合に発動される。特別税率分25.1円が課税されなくなる仕組みだって」

「電気自動車に変えろってことかしらねぇ」(ジャン妻)
「そうかも知れないな」
新しもの好きなT館主は、2015年からEV用充電器を2台分導入している。未来に向けて増やすかもしれない。

お盆休みの帰省ドライバーの家計を直撃したであろうガソリンでこれだから、東北から北海道の冬場は更に厳しくなるんじゃないか?
ってことは、沸かし湯の船山温泉もだ。どっかの木も。
宿入り4静山1宿入り5静山2宿入り6静山3宿入り7静山4宿入り8静山5
私の中では今でも大不評で、早くブッ壊した方がいいと今でも思っている例の寝湯の利用者を初めて見た気がする。
それも滞在中に2人見ました。見てすぐ目を背けましたよ。何でだかわかるでしょ。眠ってたのかな。隠しましょうね。
宿入り9静山6
渓流の湯より清水の湯が熱い。清水は内湯の部屋だからだろうか。
対岸の風景、まだ晴れている。
宿入り10-1清水1
宿入り10-2清水2宿入り11湯上りの生
湯上りの生昼ビール、でも夜の宴の乾杯時には、生ビールではなく瓶ビールと譲らないのです。

今日のT館長はガードが固いのだ。ネタを言い出したのはそっちなのに「載せないでください」って強く言うのです。
「ガードが固くなったな。何を警戒してるんだ」
「そりゃ固くもなるわよ。だいたいアナタは何をしでかすかわからないし何を言い出すかわからないし、Blogに何を載せるかわからないし、予測できないからね」(ジャン妻)
「私は問題客か」
「そうとも言えるわよ」
「載せないでくださいねって言われたら載せないよ。これまでもずーっとそうだった」

何だかアヤしい天気である。朝か午前中にザーッと降ったらしい。
宿入り12アヤしい雲行き
15:50過ぎにはまだ晴れたのだが、何だか曇ってきたぞ。
部屋でゴロ寝して「天離り果つる国」を読んでた。
書籍1
まだ全部、読んでない。
結末はわかっている。「地震ニテ山崩、山河多セカレテ、内島ノ在所ヘ大洪水ハセ入テ、内島一類(※)地下ノ人ニイタルマテ不残死タルナリ」
天正地震の山体崩壊で一夜にして埋没した帰雲城の正確な位置は特定されていない。※領主、内ケ島氏のこと。
御殿山が山体崩壊して船山温泉が帰雲城みたいになったら。。。
縁起でもない空想はやめよう。
宿入り14降って来た
16:30頃、ザーザー音がするぞ。
215室は船山川に面しているので川音が間近で聞こえるのだが、中庭の池でUMAがボッチャンと跳ねる異様な音がして、外を見たら滝のような豪雨に。
東京横浜でもゲリラ豪雨だった。雨雲レーダーには現在地ではなくジャンが住む横浜市内某所が表示されるのだが、降水帯で真っ赤っカだった。
宿入り15豪雨
雨の貸切二人静、静は視界が狭くていい意味で閉塞感があるので、晴れた日より雨の方が趣がある。
宿入り16二人静宿入り17小降りに宿入り18止んだもうすぐ宴
でも雨は17:40頃に止んだ。遠くの空には雲の切れ間に青空が垣間見えた。
さぁ17:55、階下に下りよう。部屋を出ようと廊下に出たら内線が鳴った。
プルルルルッ、プルルルルッ、
「うるせぇな。今から行くよ」
プルルルルッ、プルルルルッ、
「出てよ」
「出なくていい。下りちゃえばいいんだ」
プルルルルッ、プルルルルッ、
「出なさい」
「しょーがねぇなぁ。(受話器を取る)あ、今から出ます」
ガチャン!

山側の部屋

初めて泊まった201号室は山の斜面と駐車場に接している。
中庭と池は見えないし、船山川の音も聞こえない。
部屋のベッドは低い。こういうベッドもいいけど、日常だと寝て起きてがタイヘンかなと思考中のジャン妻、アタマの中は建て替えと内装、家具その他に向いている。
部屋1山側の部屋部屋2
窓の向こうには大森山の斜面、大森とはこの地の字名で、明治大正の頃は湯治宿で「大森館」と称していた。「本郷の湯場」とも。
部屋3窓の向こうは1
部屋11窓の向こうは2
窓を開けたところ。
部屋4山斜面1部屋5山斜面2
船山温泉は何処までが宿の敷地内なのか境界がアバウトでよくわからないのだが、この斜面に桟道があって、作業場を得てから裏手の広場に出て堰堤の先で行き止まりになる。
この裏手の何処かで熊の足跡が発見されたことがある。「熊の足跡は見てすぐわかるし、そこそこの大きさだと思われますね」(T館主)
そしたら近年、足跡どころかT館主夫婦が連れ立って熊に出くわした。2人して夜、脱走した飼い猫を探しにネコの名前を呼びながら裏手を捜索してたら、河川敷に巨大な黒い影がヌッと浮かび上がり目がギラッと光った。
2人はダッシュで逃げ帰り猟友会に報告、山梨県の熊出没情報にも掲載され、それには「南部町本郷地区、河川敷にいた」とあった。
「誰がどう見てもこれはウチなんですよねぇ」(T館長)
それ以来、私は上流探検を自重している。
「まさかこの天気で出かけないよね」(ジャン妻)
雨が降り続いている。
部屋7山斜面4部屋8山斜面5
駐車場側を見たところ。
雨が降り続いている。お隣の202号室、203号室もそうだが、蛍に最も近い部屋ですな。
部屋9駐車場側1
部屋12駐車場側3
215室と違って船山川の濁流音が全く聞こえない。雨の音だけで静かなものだなと思ってたら何かエンジン音が聞こえるぞ。
タンクローリー1
ミニタンクローリー車が奥で給油して出ていくところだった。
源泉が低いので加温しています。ウ情勢で燃料費や電気費が更に嵩んで悩ましいこと。
そのローリー車が宅配業者のトラック2台とカチあった。
タンクローリー2
こんな風に池と中庭が見えない代わりに、お裏型が見えるのがオモシれぇ。何かゴソゴソやってるのが見下ろせるのだ。
スタッフが出勤してきたり、送迎ワゴンで出てって戻ってきたり、何かを干したり摘んだり、片付けたりしいている。
掃除部のMさんがいたので「おおい」声を投げつけたが気が付かない。T館長から「あの人(私のこと)に反応してはいけない」と釘を刺されてるのか、スルーされてしまった。
今日は雨だが、翌日はネコがいた。これ以上書くとT館長は次回から私らをこの部屋に泊めないかもしれない。ヘンなネタを拾われたらタマランと警戒するに決まっている。だいたい私は山の斜面を見ながら「動物でも出ないかなぁ」とヘンな期待をしているのです。それこそ人を襲わない程度に熊でも出たらいいのにと思う。
湯1清水1
貸し切り「清水」が空いてたので浸かる。シミズではなくキヨミズだそうです。シミズだと静岡市清水、海に面した港町を思い起こすからだろうな。拘っているな。
さっき給油したせいか温度がやや高めだろうと警戒したがそうでもなかった。
船山と何処かの木は湯音が一定しているから気持ちがいい。蕎麦宿は天然かけ流しなのでお湯が気分屋で、調整に難儀することがあるからな。
湯4清水4ドバドバドバ
私が出たときはそうでもなかったのだが、ジャン妻が出たらセンサーが反応して給湯が物凄い勢いである。
「アタシの体重分だってこと?」(ジャン妻)
湯5
夕餉までに入れる風呂をハシゴする。
湯6湯7湯8湯9
湯上りに生ビールを飲んでいますよ。昼酒はしない主義ですが、こういうときはいいの。
向こうに215室が見える。そこにはとある方がINしておられるらしい。私らと某所で面識のある方です。夕餉後に再会、ご挨拶することになります。
某所?
ブログ新装開店してから未だ行ってませんが、静岡市内にある蔦の絡まった廃屋居酒屋のご常連さんですよ。
ビールで喉を潤しながら館長にかつて11年に渡って継続していた旧ブログの閉鎖後、復活に至る背景をご報告、安堵して貰ったところであります。
事情を知りたいって?
ダメです。カテゴリに人間ドラマが無いことで察してください。コメントで聞かれてもお答えできません。
湯上がり1湯上がり2湯上がり3
湯上がり4
部屋に戻って眠ってたら業務携帯が鳴って起こされてしまった。(金)だからそういうのには対応しなきゃならないがね。
旅は距離に関係なく日常からの脱却だが、船山温泉って生活圏から距離的に近いので旅行気分は薄く、日常の俗世と完全に遮断、切り離すのが難しい。
山奥の秘湯でもないし、限界集落ではないが過疎化した地域のドン詰まりに立地するのに、館内に入ると意外と便利なのでテレワークに向いている宿ともいえる。
ドコモ:〇 AU:〇 ソフトバンク:〇ですから。

18時前になると内線が鳴る。
「もしもしフロントでございます。ご夕食の準備が整いましてございます・・・」
この内線電話が何処にあるのか初めての部屋なので咄嗟にわからず。
夕餉1
毎度見て最初に思うのは、超地味なテーブルクロスにこれまた超地味な色、昭和のドラマやマンガみたいに夫婦喧嘩の凶器に飛び交ったら殺人未遂になるは必定のゴツい皿に盛った野趣溢れる料理たち。
夕餉4
刺身は最初向こうを向いてたのをこっちに向ける。今日は私が主役なんだぞ。誕生月で60歳前=還暦前=定年前なんだから。
夕餉5夕餉6夕餉7夕餉8夕餉9
ノルウェーサーモンじゃないですよ。山梨県水産技術センターが生産した甲斐国特産のマス「富士の介」です。
上州のギンヒカリ、信州サーモン、海無県特産の刺身は何処も美味しい。
イワナ刺身は忍野産らしい。前は敷地内で育てたのを見たが育てるの止めめちゃったのかな。ネコを飼うようになったせいかもしれない。
次はタケノコの刺身、追加オプション、
「よくコメいただくモノノフ氏の居館裏に詰の山城跡があって、そこでも仰山採れるらしいで」
「モノノフさんって和歌山の人?」
「そう、海南の国人衆の末裔らしい。いやぁ武士(モノノフ)らしく激しい方で・・・」・・・(スミマセン)
夕餉10夕餉11
都内の居酒屋チェーンなんかでは絶対に出されない山の恵たち。
夕餉2
夕餉12夕餉14夕餉15夕餉16
夕餉17
ブログ新装開店早々にこの宿をUpしましたが、それ以来の甲州ワインビーフのしゃぶしゃぶ、猪鍋と違って野菜がイマイチですねぇ。長ネギはあるけど、白菜が欲しいなぁ。
夕餉3
スライスしたレモン?がプカプカ浮いている。
その状態で牛肉を泳がせる。
夕餉18夕餉19夕餉20夕餉21夕餉22夕餉23
HP見たら熊肉しゃぶしゃぶプランってのもあってそれも出てるみたいですよ。「非常に品薄な熊肉をしゃぶしゃぶにて召し上がっていただきます。」だってさ。
もちろん事前予約なんだろうけど、前よりは安定供給できるようになったのかな。
田畑や人に被害、危害を加える獣害対策の一環か。「命をいただきます」そうお祈りして解体する女性ハンターを「いいいじゅ-」で見たぞ。
「いちどTRYしてみますか?」
「いやぁ、熊はちょっとねぇ」(ジャン妻)
夕餉24
イワナ素揚げに敷き詰めた石ころ、この石はもしかして、ロビー前の窓壁下や、湯場に上がる小階段の壁下に敷き詰めてある石ころではないかい。
この辺りで熱燗に移ります。運んできたのは船山最長勤務実績を誇る掃除部兼接客の小柄なMさん、さっき部屋から声をかけたけど無視ったでしょ。
Mさんは私の実年齢を聞いて声が裏返っておった。あの驚き方は「もうそんなおトシなんですかぁ。そうは見えませんよぉ」ではなく「還暦まだだったんですか?もうとっくに・・・」かも知れない。
夕餉25夕餉26夕餉27夕餉28夕餉29
甲州ワインビーフローストビーフはそこそこの厚みがあります。筋もちゃんと処理してあって添えられた野菜を合わせて美味しい。
猪鍋とステーキの組み合わせよりしゃぶしゃぶ&ローストビーフの方が腹が楽です。こうやってだんだんと量が減って油っ濃いのも避けるようになって老いていくのだろうな。
でも今宵は別注でタケノコ刺を追加してるんだし、まだまだ量的にはいけそうな気もするんだよな。
夕餉30
夕餉31
夕餉32
蕎麦、アラレは要らないよ~。天かすとかないのかな。
夕餉33夕餉34夕餉35夕餉36夕餉37
蕎麦で〆ちゃってもいいんだけど、炊き込みご飯をまぜまぜしてよそうジャン妻、
夕餉38夕餉39夕餉40夕餉41夕餉42夕餉43夕餉44夕餉45夕餉46
おら食べなっ!
夕餉47
「そうは言ってないっ!」
夕餉48夕餉49夕餉50夕餉51夕餉52
あ、岩魚の骨汁につみれが入っている。
「何の団子かな。岩魚かな」
「さぁ。鶏肉じゃない?」(ジャン妻)
まさかそんなことはあるまい。岩魚のツミレということにしておこう。アジやイワシと違ってクセが無さ過ぎでもあるが、これを揚げて岩魚のさつま揚げなんてのに創作するのは如何でしょう?
夕餉53夕餉54
夕餉55夕餉56夕餉57
夕餉58
宿入りのときに触れた静岡の廃屋酒場の常連女性と再会して、軽く、ごく軽く、(そうでもないかな?)二次会になっています。
旧ブログ閉鎖して新ブログ開店に繋がる経緯を恥を忍んでお話した。ご心配をおかけしました。今川家に攻め滅ぼされて帰農された遠州国人衆の末裔でもある居酒屋店主殿によろしくお伝えください。
夜1夜2夜3夜4夜5夜6夜7夜8夜9夜10夜11夜12
201号室に戻った。窓の外の闇に何かが潜んでいるように見える。山に棲むモノノケがこちらを窺っているのではないか。
この部屋は宿を守る外堀の役目を果たしている船山川と逆側なので、すぐそこで結界が途切れる。山の異界に接しているのだ。
低いベッドに仰向けに寝そべってたら天井がゆっくり廻っている。酔いなのか、それとも山の異界に棲む者が部屋に忍んできたのか。
そこで意識が無くなった。
朝1
起きたら7時、日常で4半か5時に目覚める私にしては遅い方だ。昨日とはうってかわって晴れそうな気配だ。窓から差し込む朝の陽射しが目映い、眩しいな。
無情にも鳴るコールは8時前「ご朝食のご準備ができました」呼ばれて昨夜と同じ食事処にご出勤です。201号室は静かでいいけど、浴場や食事個室までいちばん遠い部屋でもある。
朝2
朝3
特に変わり映えしない朝餉です。連泊でもしない限り料理がほとんど変化しないんですよね。
チャーシューはますます脂身が多くなったかな。味噌汁にブチ込んで豚汁にしてやろう。
朝餉1
朝餉2朝餉3朝餉5
朝餉4
朝餉6
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朝餉11朝餉12朝餉14朝餉15朝餉16朝餉17
朝餉18
朝餉19朝餉20
湯気がモワッ!
朝餉21
湯気を吹き飛ばす!
朝餉22
朝餉23朝餉24
豚汁に化けました。
ラーメンがあれば味噌チャーシューだね。
朝餉25
朝餉29朝餉30朝餉31
ニンジンが多いのはウレしい。
ジャンはニンジン大好きです。ジャン妻はそうでもないのだが。
朝餉32
朝餉26朝餉27朝餉28
船山の朝豆腐、美味ぇなぁ~
日頃食べてるスーパーの豆腐が如何に・・・いや、やめとこう。T館長、この豆腐、固めて売店で売りに出しませんか?
豆腐を冷めた味噌汁に入れて温め直すことも可能です。
朝餉33朝餉34
朝餉35
朝餉36
夕餉の18時~もそうだが、朝餉も8時~で決められているのは、その時間帯にいなきゃいけないフレックスタイム制に似ている。
この食事タイムを客に有無を言わせず18時~、8時~設定するのは理由があって。10数年前にT館長にインタビューして聞いた話だと、宿泊客の食事時間を設定することで従業員の動きや集中度をそのコアタイムに合わせるのである。
これが8時スタートでも9時スタートでも自由度を広げると、配膳や後片付けがその分だけ前後に延長してしまい、その分だけ経費がかかるわけですよ。大浴場や貸切の定期清掃や、チェックアウト後の部屋掃除もズレてしまうでしょう。ズレた分だけ人が要ることになってしまう。
船山は周囲に何もないのを逆手に取って「宿入りしたら館内で寛いでのんびりしてくださいね」なんだけど「この時間帯だけは食事処にいてください」「この時間帯だけは清掃なのでお風呂に入れません」なんですよ。だから館内そこかしこにやたらと時計があるのです。
「旅館経営は理系なんです」(T館主)
「兵は詭道なりってか?」
「???」
朝11
コラコラ、そこの子、こっちを向きなさい。
朝12
少しは客にお愛想せんかい。
朝14朝15
静岡の廃屋居酒屋の常連女子を見送った写真でおしまいにします。このブログに新装開店してからまだ廃屋居酒屋には行けていないのだ。次回、お会いするときは、自分の社会人的意識が変わっているだろう。
この原稿を打ってる時点では会社内での立場は変わっていますが、人が地位や権力に執着するのはこういうことなのかというのがわかってきた。
朝16
おしまいにしますと言いましたが。
この記事をUpして午前中、T館長から連絡があり、本文中の静岡廃屋酒場の常連様が私と連絡を取りたがっているというではないか。
胸騒ぎを抑えて連絡を取ったら衝撃が!最後にそういう悪戯をするかよぉ。
謹んで哀悼の意を表します。

船山温泉

甲斐の国南部町、身延線の駅がある内船地区から富士川を渡った右岸の奥まった本郷地区に、何でこんなとこにあるんだ?的な1軒宿がある。
船山1
鄙びた温泉旅館ではない。近代的な建物。
周囲は森と自然で人家がない。宿前の林道を先にいっても人家は無く、人工物は宿の前を流れる船山川の堰堤だけである。そこへ立ち入るのは森林関係者や河川関係者だけ。
町から伸びる中電の電柱と電線は宿で途切れている。居住区はこの宿でENDなのです。
部屋数は14部屋・・・だったと思う。コロナ禍になってからは満室にしないで、いいとこ10部屋、10組まで。

私らがお気に入りの215室、L型の巨大な曲がり家の先にある。
すぐ傍を流れる船山川にいちばん近い部屋、大雨のときは濁流音が凄いです。
この部屋が気に入っているのは単に階下にある食事処や湯場への動線が短いからです。
船山2
船山4船山5船山6船山7
「最初に行ったときから何年経ったっけか?」
「覚えてないなぁ」(ジャン妻)
知り得た頃はPVリゾートと謳っていたと思うが、初回の感動なんかもう覚えていない。歳月を経て宿側・対・利用客の距離感もアヤしくなってきている。
船山8
温泉成分は宿の敷地内や裏手の岩から染み出ている。硫化水素だが源泉温度が低いの湧かし湯、なので源泉かけ流しではない。
湯は4つ、露店は2つある大浴場(静山、渓流)にあって、別に小さい貸切湯が2つ(清水、二人静)
船山9船山10船山11船山12船山14
何で観光地でもないこの地に宿を開いたのか。
開湯は明治末期で、現在の館主(Tさん)から数えて4代前だったといふ。T本家から分かれたその方がこの地に硫化水素が染み出ているのを発見、こりゃ商売になると湯治場を開いた。
宿前を流れる船山川は暴れ川だった。源流は背後の御殿山で延長5kmしかないが高低差が急で、台風の度に氾濫して付近に大損害をもたらす暴れ川だった。大正に入ってから堰堤や護岸工事が始まった。私は工事人たちの憩いの場で宿が成り立っていたと推している。今はやってない日帰り客や宴会も催ったであろ。
それが現在のスタイルに大改装したのは平成になってから。現館主(Tさん)が継承してこうなった。
Tさんはコンセプトを変えた。周囲に観光地がないのを逆手に取ったのである。休日とは何か?観光旅行もいいけどその為に疲れてしまったら休みの意味がない。宿入りしてそこで過ごす。寛ぐスタイルを模索した。
チェックインは午後13時、チェクアウトは翌日の11時まで、最長22時間の「滞在できるスタイル」にした。22時間いたって何をするかって「何もすることがない時間の贅沢」がこの宿のウリのひとつ。日々の疲れを癒すプライベートリゾートに変えた。
フロント前に貸し出しのDVDくらいはあるが。私は借りたことないし、TVをONしたこともないんだよな。
兎にも角にも早く宿にお越しになって、夕食前のひと時を散策、風呂、部屋、館内で寛いでください。そういう宿なのです。
今は言われなくなったが、知り得て最初の頃は「今回ものんびりできましたか?」そう聞かれた。それが「今回も新しいネタはありましたか?」になり、今は「またヘンなネタを拾われて書かれたりしないだろうな」警戒しているフシがアリアリである。
船山21船山22
宿のウリ、拘りは料理にも表れている。出される素材は山に囲まれた甲斐の国ならではのもの。
私をこの宿に導いた方が、
「館主(Tさん)に、静岡県に近いんだから海産物を出しても喜ばれるんじゃないの?って言ってみたんだけど、頑としてダメみたいなんだよね」
そう言っていたのを覚えている。
部屋食ではなく食事処の個室でいただくのは部屋食だとニオイがつくからと聞いたことがある。別室に移動することでそれはイベントとなり得るというもの。
最初のテーブルに並んでるのがこれで、説明聞いたけど忘れた。土っぽい地味な色のテーブルクロスの上に山の幸が並んでいる。惣菜類の皿や器も黒か茶か深い緑か紺しかないようである。見た目は暗くてインスタ映えしたい料理ルックスですが、いつも逸品揃い。
船山23船山24
造りはイワナです。平目じゃないですよ。
宿で育てていた頃はサイズがデカかったが、今はどっか別の場所で育てているのか少し小さくはなった。
イワナのナメロウがついてきた。
船山25
最初、向かいにいるジャン妻に向いていたのを私の方に向け直したところ。
船山26船山27船山28船山29船山30船山31船山32船山33
いつもは猪鍋(味噌味)なんだけど今回はプランを変えた。甲州牛のしゃぶしゃぶ。
熊のしゃぶしゃぶもあるんだけど、あれは脂身というかコラーゲンというか、それは固辞しました。どちらも期間限定か、入荷の見込みがあるときだけかもしれない。
いい肉です。あまりサシが入り過ぎてるでもなく、赤身という感じでもなく。
野菜類は、エノキ、セリ、白髪ネギ、クレソン、家の鍋に比べると野菜が少ない感がするが、鍋だけでお腹いっぱいになってしまうわけにいかないからである。
船山34船山35船山36船山37
イワナ、通常は王道の塩焼きですが、私らはいつも素揚げです。
何で石っころが添えられてるんだ?
船山38
「この石は何?」
「料理長が、渓流をイメージして」
「ふぅん」
「河原の石?」
「それだともっと大きくなります(笑)」
(さては畳の端や角っこ、ところどころに敷いてあるあの石だろ。)
答えてくれたのはT館主の片腕、Kさん、この宿では掃除部兼接客係の小柄なMさんに次いで永年勤続表彰モノであります。
その小柄なMさんは熱燗を持って現れたけど、T館主は私がMさんを構うのを余り好まないのだ。こっちから手を振りながら「Mさぁん、元気だったぁ」話しかけようとすると間に入って身体を張って制止しようとするのである。
何故だろうか。
イワナのナメロウで気が付いたのだが、前回から料理長を新雇用したそうである。どんな方か根掘り葉掘り聞こうとしたが、この辺りもガードが固いのだ。
船山39船山40船山41船山42
そして石ころが残った。。。
船山43船山44
いつもの甲州ワインビーフステーキ、ではなくて、初めていただいたローストビーフ、これも美味かったな。「どっかの木」で出されるやわらかいけど薄っぺらくて、どうやったらこんなに薄くカットできるのか挑戦したような肉よりしっかりした肉厚であった。
船山45船山46船山47
船山48
蕎麦も粉っぽくなくなった。蕎麦宿には敵わないが。。。
船山49船山50船山51船山52船山53船山54船山55船山56
釜飯はまぁ毎度変わらず腹を膨らませるだけですが、吸い物、岩魚の骨汁に魚の身が1枚入ってたぞ。
この後のデザートが私的には問題で。
別腹が無いし、齢を重ねて食量が減ってきているので、結構キツくなってきているんだよね。
船山57船山58船山59
宿の弱い部分は、①源泉かけ流しではない、②観光地ではない、③周囲に何もない、ですが、地のもの、ここだけでしか味わえないものがある、それを提供して宿の弱い部分を補う経営戦略なのです。
船山61船山62
そして深更前の二次会、今回はくるまでなくて電車なんだけど、ドライヴの御守りのプチ公がついてきた。
船山63
ジャン妻は先に寝てしまった。することないからである。まだ20時半前ですよ。
だから人によっては退屈かもこの宿。他の部屋の人たちは部屋で何してるんでしょうねぇ。TVかDVDでも観てるんだろうか。
船山64船山65船山66
夜の帳が宿を覆っても敷地内の灯りは22時まで点いている。害獣防止の為である。
船山67船山68船山69船山70船山71船山72船山73
飲酒後に風呂で汗を流すと体からアルコールが出るってのは大きな間違いらしい。
体が温まるから血液の循環が良くなり、更にアルコールが全身にまわってしまう。酔いを覚ますどころか酔った状態になってしまう。
私はもう酒を飲んでから湯に浸かることをしなくなった。その代わりに身体についた料理臭とアルコール臭を落とす、洗い流す為にシャワーだけサッと浴びた。
船山74船山75船山76船山77船山78船山79船山80船山81船山82船山83船山84船山85船山86
22時にガクンという音がしてブラックアウト、宿は漆黒の闇に包まれる。闇の向こうに木々に隠れて山の動物たちが息を潜めてこちらを窺っているかもしれない。
船山87
世が明けて6時頃、県境の天子ヶ岳(だと思う)方向から陽が昇る。
掃除部のひとたちが出勤してくる。
船山121
船山123船山124
朝8時前にコールが鳴って昨夜と同じ食事処へ行かなくてはならないがジャン妻はまだ眠そうである。あんなに早い時間に寝たのに。
船山125
朝餉の器も手触りが無骨で色は黒系が多いが、白い器が2つあるのがわかりますか。
昨夜の前菜もそうだが、大きい皿というか殆ど台、陶器だと思う。これら小さい惣菜を載せてる台を片手で持って洗うのってタイへンそうだ。
船山126船山127船山128
チャーシューは脂身が増えたな。
船山129
山女魚の一夜干し、台の上には小さいけど甘露煮、昨夜、造りと素揚げも出たから、川魚を都合5尾いただいたことになる。
ジャン妻は箸先でホジホジ、私は箸先がブキなので、アタマから尻尾までバリバリ、
船山130船山131
白い器が2つだけあってご飯茶碗とサラダ、サラダにはT館長いわく「温泉宿ではあまり使われない素材だと思います」のキャベツの千切りがたくさん入っている。
船山132船山133船山134
サラダに添えられたサーモンは生のようでもあり、燻製のようでもあり、
船山135
自家製ドレッシングをかけ過ぎてもかけ過ぎても底の方までたどり着かず、単なる生野菜なので、
「かけ過ぎでは?」
「足りないくらいだ」
船山136
煮物は前に出されてた筍の煮物の方がいいなぁ。あれは味が浸みて崎陽軒シウマイ弁当に似てる味だったのだが。
船山137船山138船山139船山140船山141船山142
シュワシュワ蒼白く燃えてる固形燃料の鍋が2つあって味噌汁と自家製豆腐、味噌汁の鍋は売店で売ってるけど、鍋底はおたまですくい難いのだ。
船山143船山144船山145
こんなことをやってる客は他にいないと思うけど味噌汁は味変が①②と2回できるのです。その①、脂身が多くなったチャーシューを味噌汁に落として豚汁バージョンにする。
船山146船山147船山148船山149
前はこの足軽陣笠豆腐をやや持て余していたのだが、地元の個人店の豆腐屋が廃業しちゃって喰いたくもないスーパーの豆腐ばかり食ってるせいで、これが美味しくてしょーがなくなった。
パック詰めにして売店で売ればいいのにと思う。
船山150
味噌汁の味変その②、豆腐を冷めた味噌汁に移して再度、温めていただいたりする。
船山151
船山152
船山153船山154船山155船山156船山157
宿のHPには「朝食後、お風呂に入って、お布団で、またゆっくり過ごすことが出来ます。」
11時までギリ寛げますが、10時チェックアウトに慣れちゃってる人は先に出て行かれますね。
でもこの1時間差が案外と余裕で。蕎麦宿はそうでもないけど、どっかの木は忙しないからね。
船山158船山159
船山160
会計して領収書を見た会話、
「高くなったわねぇ」(ジャン妻)
「前と比べたらね」(ジャン)
さすがにフロントでは言ってないよ。家に戻ってから言った。宿代だけなら如何に蕎麦宿やどっかの木が安いか改めて分かったようなもの。
高くなったということは宿は変わったのである。かつての料金体系を知る者としては高級旅館になっちゃった感があるが、これからも改訂はあるかもしれない。燃料費他、諸物価の高騰で仕方が無いのだが。
変わっのは宿だけじゃない。私自身の雇用形態ももうすぐ変わる。
私のBlogもこうして変わったし。
次回の訪宿日も近づいている。

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