2023/11/29
群馬八幡のマヨピザ
乗ってきた群馬バスを見送る。
バスは室田、権田方面へ去っていった。
車内は混んでた。本数削減したからだよ。
Suicaが使えた。前は小銭かバスカードだったのに。
酒場まで歩く途中で、
「めぇ~~ん!」
ダン!
気合の声と、床を踏み鳴らす音が聞こえた。
何かと思ったら剣道場で、全ての戸を全開にしてひとり子供さんが打ち込みの稽古に励んでいた。
寒くないのか。
「お帰りなさぁい」
寒いけど生ビール、350円もするおとおしは里芋とソボロ、固いなこの里芋は。
メニューをじーっと見ていちばん下に釘付けになった。
「これ、新しいメニュー?」
「そうでぇす」
「アンチョビマヨネーズピザ!」
「マヨに惹かれます?」
「そんなこたぁない。前は何だったっけ?」
「ウニでした」
「ああ、そうだったね。前はウニのピザ(850円)だったな」
食べたことない。ウニはトゲトゲを割いて中の身を摘まむのがイチバン美味いんだよ。ミョウバンで固めたウニなんて臭いだけだ。
ましてやピザなんて。
「ウニは高いから?」
「そうでぇす。いきます?」
ちょいピザを脳裏に描いてオーダーしちゃったんだけど、ちゃんとした(失礼)1枚ピザだった。
だけどひとりで1枚ピザはキツかったな。これの半分のサイズでいいのだが。生地が既製品だからカットできんのだろうな。
これだけで瞬間的にお腹一杯になりそうになった。
あろうことかTVに映ったのは、デカいサイズのトンカツ、丼からハミ出たカツ丼、拳大の唐揚げが山盛り、それでいて激安で高齢者施設にくっついている食堂、そんなのを見てたら余計に腹が膨れそうになったので目を逸らしたよ。
刺身を見てみた。
「剣崎だから剣崎イカ?」
「そこで獲れたんです、笑」
「んなわけない、笑、ソイにする」
黒ソイだって。黒くないぞ。身体は黒いけど白身、ついでに赤貝も。
「こないだそこの斎場にお見えになるのかと思ってたのに」
店の斜め向かいに斎場があって、そこでウチの社員が通夜と葬儀を執り行ったんですよ。喪主だそうな。総務の案内を見たら、げっ!和が家さんのすぐ前じゃないかと。
その方は私の4歳か5歳下だったかな。女性です。
平成24年に自分がこっちに赴任したとき、現地社員から見て私を東京本社からの回し者と思われたフシもあるのだが、その女性は現場の皆にこう言ったそうです。
「ジャンさんは信用していいんじゃないの?」
私もその女性は信用している。「あと何年は辞めない。子供の学費があるから。でもあと何年だけだよ。でもまだ何年もあるよ~」って。
「喪主だってさ」
「タイヘンでしたねぇ。」
「家族葬だから行かなかった。昼だし。来てもまだ店、営ってないでしょ」
コロナが5類になって、テレワークやリモートワークが少なくなり、通勤電車が満員になり、巷に外国人観光客が溢れ、グループ飲み会や宴会や接待が復活、旅行も解禁になって、皆、コロナ前に戻りたくなる気持ちはわからなくないが、葬儀も普通葬が増えてきたようだ。
でもウチの場合、私が誰々と親しいのを知ってて弔事の案内を回してくるのは助かるのだが、一般葬なのか家族葬なのかわからないところがある。
外に出ていたらそういう連絡が来て、
「行かれます?」
「行くしかないだろうな」
そう返事すると、
「だったらすみませんが、社長の分と会社から出る分を建て替えて貰えますか」
でもって出向いたら家族葬だったのだ。受付もないし。読経が終わるまで私ひとりずーっとアウエイ状態なんですよ。
それがコロナ禍で3回あったのでさすがに言った。
「行ったら家族葬だったじゃないか。そういう情報をくれ」
お隣に座った方は前もいらっしゃったが、近日中に水戸にご出張だそうで。
水戸は春先に私も出向いたが、高崎と違って新幹線がないので、常磐線が運転見合わせになったらどうしようもなかったね。2回、そういうのに遭ったんですよ。龍ケ崎駅と牛久駅でじーっと待ってたもの。
高崎から水戸だとどういうルートで行くかって話になって、迂遠でも新幹線で上野まで戻って、常磐線特急で向かうのがベターなんだけど。
「水戸の会議って何時からなんですか?」
「10時からです。なので両毛線で小山まで行って、小山から水戸線での~んびり行こうかなって」
長閑でいいけど10時に間に合うだろうか。真面目に心配して差し上げた。
「こないだTVの六角精児の呑み鉄旅で関東鉄道と真岡鐡道が取り上げられてたんだけど、1日飲んで、電車乗って、また飲んでばっかりなんですね。途中の下館で水戸線に乗り換えて友部かどっかの酒蔵に立ち寄ってました。そんな電車なので、10時の会議に間に合う電車じゃないと思うんですけど」
爆笑が湧きあがった。
焼酎ボトルがようやく空いた。
「入れますぅ?」
「入れても次回、いつ来れるかわからないし。空くのに時間がかかっちゃうよ」
入れたことすら忘れてしまう。店から言われて、え?あったの?ってのがよくあるのよ。
社長さんもG屋さんもBさんも来なかった。静かでいいっちゃぁいいんだけど、この店の常連さんで今日もカウンターにいるママさんと、店の料理でデッカく育った坊や、息子さんが後から来てテーブル席に陣取った。
カウンターのママとテーブル席の坊や、距離を感じさせない母子バトルじゃないんだけど母から子への叱責かなぁ、その強烈さにアタられてお暇してしまいました。
でもってASLIである。
Blogに載ってたシーバスリーガルをいただいた。
シーバスは家でも地元のスナックでも飲んでるよ。私は洋酒に詳しくないので(日本酒もだが)飲みやすければいいのさ。
シーバスの空き瓶から蒸気が噴き出ている。
「まさか酒?」
「いえいえ、水ですよ」
マスターは日曜昼飲みの場が限定されてるのをややお嘆きである。朝飯、そじ坊、サブリナ、こないだは東口に進出したけど。
もう竜苑や下山には行かれないのかな。くるまだと飲めないか。
「火事の跡地にできた中華酒場なんかどうです?」
「???」
「郵便局の、レンタカーの、豊田旅館のこっち側は?」
中華居酒屋「龍翔」のことですが、言っといて何だがイマイチ私はソソらないんだよね。
「ああ、あそこは日曜営ってないんです。思い切ってGUSTなんか・・・」
GUSTねぇ。
支店勤務の頃、夜食にテイクアウトを取ったことがあったな。会社経費の上限が1000円でさ。1000円を超えるといいモノがあるんだけど。
カウンター脇にあるディスプレイでYouTubeを流す。
マスターのおススメは、シャカタク、Night Birds、
私は何故か、KANSAS、(アメリカンプログレハード)
お客さんがいないので、MusicPubの様相を呈してきたぞ。
気が付いたら22:45になっていた。
始まりが19時~とやや遅かったからな。早く寝ないと明日に差し支える。
寝たのは23:00過ぎだったと思う。都会だと夜はまだまだこれからだが、髙崎にいるとすぐに朝が来てしまうのである。