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何で休んだのさ?

今年の冬場の記事が続いてます。10年に一度の寒波襲来!と気象庁が脅しまくった1月25日、そういう日に限って西へ日帰り出張だった私は午前中に早めに昼を済ませ、帰路は新横浜まで行かないで熱海で在来線に乗り換え、腹ペコ状態で大船駅に下り立った。
今日こそは営ってるだろうな。23日24日と休業してからに。
うん?店前に停まっているバイクは何だ?客のか?
店1
店2このバイクは何だ?
店内を覗いた。
入ってすぐ左に納戸があって野菜とかを格納する置き場になっていて、納戸の前には客がコート類をかけるハンガーがあるのだが、ハンガーを引き出してスタッフが何やらゴソゴソやっていた。
引っ張り出されたハンガーが入口の半分を塞いでいるせいで私は店内に入れない。引き戸をトントン叩いて私に気が付かせてやった。
「あ!」
あ!じゃないっての。
「何してるん?」
「あ、すみません、どうぞ」
引き戸を開けて店内に入った。
最初の膳1
最初の膳2
カウンター真ん中辺りにデンと座った。
名物マスターはいなかったが若がいた。開口いちばんイヤミを言ってやった。
「月曜来たら営ってなかった!」
臨時休業の日に来た証拠写真も見せた。
「何で休んだのさ?」
「あ、ええっと、実は・・・」

「・・・何だって?」

「・・・なので、今日の開店もギリギリで危なかったんですよ」
「ふぅ~ん」、
・・・料理の研鑽の為に地方都市へ視察に行ってたということにしておきましょう。そしたら寒波で飛行機が欠航になり、帰って来れなくなったんだと。
「定休日です」なんて言わないで、今日のOPENもアブなかったって正直に言う辺りは好感が持てた。
店頭のバイクはさきほど納戸をゴソゴソやっていた若い衆のバイクで料理の材料を調達して運び込んでいたらしい。
その若い衆は今日は仕入れと仕込みだけで営業シフト外だったらしく「じゃぁ明日また」と言って出ていかれた。
となるとおそらくカレーやポテサラは仕込んでないだろうとみた
「じゃぁこれらの(大皿を指す)仕込みはいつ?」
「それはいる皆で何とか。でも今日開店できるかどうかも微妙だったんですよ」
バタバタしながら営業再開に漕ぎつけたらしく、今日のおススメとかも言われなかったので、
「牛串はあるの?」
「あります」
牛串2本と鶏ネギを2本ずつ入れて、自家製シウマイ、牛スジ煮込み、
串1
串2
串4
串3
いつもは吾妻鏡ロックだが、寒いので今日は熱燗にした。
酒の銘柄はワカラン。安いラーメン屋で出される酒かもしれない。大関とか黄桜とかの。
牛スジ1
牛スジ2
牛スジ3
牛スジ4
牛スジ5
でも合間にチェイサーじゃないけど小生を飲んだりする。
シウマイ1
シウマイ2
「今日はどうされたんですか?」
「静岡に出張ですよ。日帰り」
「静岡のどの辺です?」
場所を説明してあげて、
「・・・寒かったよ。何処も風が強くてさぁ。」
東海道新幹線もダイヤが乱れてたね。50分遅れとか。
「静岡ってひかりとこだまですよね。いちばん早い電車は停まるんスか?」
「のぞみは停まんないんじゃないかなぁ。遅れても動いてたからこうして戻って来れたんだけどね。小田原で東海道に乗り換えたの。で、大船で途中下車、もし昨日一昨日みたいに営ってなかったら・・・」
イヤミはこれぐらいにしておこう。
静岡を家康公が隠居所に選んだ理由のひとつに温暖だから。
3箇所廻ったんだけど何処も風が強くて寒かった。
正面達筆1
正面達筆2
達筆ですな。店で稀に見かける紅一点のスタッフの手書きらしい。達筆過ぎて右の銘柄なんか読めない。読んだことすらない字だった。
でも1000円は値が張るな。店には焼酎「吾妻鏡」ボトルがまだ残ってると思うが。
寒いので熱燗にしたので正解だ。町中華でよく出される安そうな銘柄の小瓶がかわいい。
あ、銘柄が見えた。大関や黄桜じゃなかった。
珍しく熱燗
前は燗の付け方がイマイチ上手じゃなかったが、だんだんと上手になってきたようだ。適温だった。

今夜はそんなに混んでなかったのと、マナーのいい客人ばかりだったので店内は割と静かな方だった。
なので懐メロBGMが聴けまくりだった。覚えているのは、

飛んでイスタンブール 
光る砂漠でロール
夜だけのパラダイス

飛んでイスタンブール 庄野真代 1978年

あなたがかんだ 小指が痛い
昨日の夜の 小指が痛い

小指の想い出 伊東ゆかり 1967年

風はきまぐれ あなたを惑わせるだけ
恋の予感がただ駆け抜けるだけ

恋の予感 安全地帯 1984年

Wont‘Be Long Wont‘Be Long
もうすぐさ笑えるのは
Wont‘Be Long Wont‘Be Long
おまえのためにすべて

WON’T BE LONG バブルカムブラザーズ、1990年、

この辺りまでは私の中では懐メロだが、ちょっと驚いたのは、ええっ、これももう懐メロなのかと驚いたのが、

鏡の中のマリオネット もつれた糸を断ち切って
鏡の中のマリオネット 気分のままに踊りな
鏡の中のマリオネット あやつる糸を断ち切って
鏡の中のマリオネット 自分のために踊りな

Marionette Boowy 1987年

午前4時眠れずに
彼女をベッドに残し
バイクにKey差し込む
闇の中滑り込む
すべてが消え去るまで
風を切り突っ走る

J.BOY 浜田省吾 1986年

へぇ、氷室さん布袋さん、省吾さんもか。80年代半ば以降のも懐メロになったんだね。
菜の花1
菜の花2マヨ
菜の花お浸しマヨネーズ付き
「今日(ジャン妻)いないからマヨちょーだい」
「でもバレるんスよね」
今のところバレてないのだ。このBlogでバレるでしょう。そして締めは明太うどん。
明太うどん1
明太うどん2
明太うどん3
店3
明日夜、ジャン妻は戻ってくる。いつもは経費削減する為にホテルとセットになってる格安プランなのだが、今回はそういうのではなく、フライト時間を変更できるチケットにしたそうだ。
「明日は羽田の着陸時間が早まるかもしれないから」(ジャン妻)
では明日も大船で合流して夕餉、宴にするかな。
この後、私は地元スナックへ2023年初のご挨拶、ああいう懐メロBGMを聴いたらアドレナリンが出ますよ。
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上大岡の系譜②

かつて上大岡にあった串焼き屋の名店。。。
店11
12年ほど足繁く通ったが、3年に渡ったコロナ禍がこの店を滅ぼした。いや訂正、今もあるにはありますが移転、趣が全く違うBARになっている。
そのBARで後継者のマスタージュニアに聞いたのですが、若手リーダーたち4人が桜木町野毛のワンホールに集結して3つの店の主になっていると。
路地1
昨晩に続いて今宵もジャン妻は出張で不在です。
都内のよく行く店(ママの手書き黒板メニューの店)でタッチの差で入れなかったんですよ。
昨日UPしたように大船も臨時休業なのでまた野毛小路にやってきた。店2店3
店4
野毛の新進気鋭ホール内の1階ワンフロアに5つの酒場がある。もつ焼き、焼きとん、焼き鳥、韓国料理、シーフード、カリブの海賊共和国のような運命共同体に見える。
これは入口に店の配置を描いたボードですが、もつ焼き、焼きとん、焼き鳥、の3店舗に、冒頭写真の今はもうない名店にいた若頭4人がいた。彼らは示し合わせて集まったのではなく、ホールの施工業者が上大岡の人で、その辺りの関係でたまたま再会、再開したらしい。
バイト君も客筋もその上大岡から流れてきた連中が多く、何処かで見たカオだなぁって思ったりする。
今宵は「彼」がいたら焼きとんにしようと決めてきた。その彼の名前は知らない。もつ焼きの童顔D君、焼き鳥のTさん&Uさんよりも数年早く辞めてるので、OBなんだけど他の3人とは在職期間に差がある人です。
入口から入ると店の配置の関係で、どうしても焼きとんの彼がドアボーイの如く最初の「いらっしゃいませ」を言わなきゃならない。
でもお客は自分とこに来るとは限らない。他の店かもしれない。確率は1/5です。私は奥の韓国酒場とシーフードは悪いけど無関心なので、どうしても上大岡OBの3店舗に視線がいってしまう。
今宵は焼き鳥さんには目を向けないで、入ってすぐ左から右に視線を向けた。左の焼きとんに童顔のD君はいなかった。
右を向いた。イケメンの彼がいた。
「いらっしゃい。お好きな店へ・・・」
「今日はこっち(焼きとん)にする」
「あ、うちでよろしいですか。やっと来てくださいましたね」
「もちろん気にはなってたんだけどね」
ホール中央左の焼き鳥、昨夜は不在だったTさんがひとりで営ってた。片手を挙げて合図だけした。誰もお客さんいなかったような。Uさんも今日は休みなのか、D君不在のもつ焼き屋に仲間とやってきた。
2人とも、「あ、そちらにも行かれたんですね」ってなもんですが。
メニュー載せます。
メ1
字が小さくて見難いですが。焼き鳥店と被るのもあるけど、微妙に差別化されてますね。向こうは鶏、こっちは豚か。サイドやオリジナルの串はこっちの方が珍しいというか、他ではあまりないものがある。
メ2
でもベースは上大岡なんだろうね。
生1デカく見えますが
ポテ
この生ビールは写真だとデカく見えますが、実際のサイズは小グラスです。
先にポテサラなんぞをいただいてから、
「上大岡や、あちらの焼き鳥さん(シルベ)と被らないものですと・・・」
「じゃぁ、春菊巻き、納豆巻き、スモークシシャモ・・・」
「〇〇さん(私のこと)渋いですねぇ目の付け所が。もう何回か来られてるお客様のオーダーのようですね」、
私の名前を記憶してくれていた。他の彼らから聞いたのかもしれないが。そう仰るあたりTALKもなかなか上手なのだ。
春菊巻き1春菊巻き2
春菊巻き串、巻いてある春菊を炭火で焼くってあまり見ないよね。
玉子の黄身がついてくるのだ。
春菊巻き4何故か黄身が
春菊巻き3
納豆巻き1
納豆巻き2
お次は納豆巻き串、納豆に串を刺してあるのかと。そんな凄い芸ができるのかと。ひきわり納豆か納豆をたたいたのを甘味噌?タレで和えて海苔で巻いて焼くの。
(納豆串ってのは上大岡の有名店にあるぞ。)
スモークししゃも
スモークシシャモ、マヨネーズが添えてあるのが何だかウレシかったりして。そしたら、
「外は雪です。ゆっくりしてってください」
「雪ぃ?」
そうか。10年でいちどの寒波が南下してるんだった。私は明日、静岡県内を日帰りでラウンドしなくてはならないのだが。雪に弱い東海道新幹線はちゃんと動くだろうか。

飲み食いの合間にいろいろ話したのだが、彼は上大岡が拡大して5号店や揚げ、スタンドがOPENする前にお辞めになってるんですよ。
なので、上大岡を去ったOBたちのハナシでも、向こう(焼き鳥)とは会話に出てくる登場人物に時間差があるのだ。
「△△さんって覚えてます?」
「覚えてる。フロアを差配してた人」
「路上ですれ違ったんですけど、ノーメイクだったんで声をかけようかどうしようか、かけていいものかどうか。結局声をかけたんですけど」
「あの店の子たちは働いているときとそうでないときのカオが違うんだよなぁ」
コーン1
コーン2コーン3
ヤングトンガリコーンバター焼きに添えられた揚げチップを摘まんで食べてたら思い出した。ジャン妻が昨夜から出張で昨夜は同じホール内の焼き鳥の後、松やで牛飯(小盛)を食べて、コンビニで普段は禁忌のカルビーポテトチップ海苔塩を買って帰ったんだった。その空き袋のゴミがまだカバンの中に入っていて、
「この揚げチップが美味しんだけど」
「それはですねぇ・・・」
・・・説明聞いたけど忘れてしまった。
「ポテチを摘まんで最後の方になると砕けて小さくなったのが残って、もったいないからこうやって(袋を持ち上げて残りカスを全部食べる仕草)残さず食べちゃうんだけど、昨夜から連れ(ジャン妻)が出張でいないのをいいことにさ。普段は買ってはいけないこれ(ポテチの空き袋を出す)を家のゴミ箱に捨てるに捨てられなくて」
「あ、じゃぁウチで捨てますよ」

「初めて入った店に家のゴミを持ち込んで捨てて貰ったのっ!」(ジャン妻)
「・・・」

「それもポテチを!」
「・・・」
コーン4
最初に来たとき、こういうホールスタイルは自分の好みかなぁって躊躇して、DさんTさんと目が合ったから入ったんだけど、今いる焼きトンの店は入って目線を動かすと最後に目に止まるんだよね。
お客さんが買い物をするときは商品棚の上左から右に動いて、左下に斜めに動いて右に動く。これをZの法則というのですが。
「ああ、それわかります。左上から目線がいくんですよね」
「この店はその先、更に右に思いっ切り首をネジ曲げると視界に入るという」
入口側に近過ぎてちょっと不利な気がするのだ。
それと、彼の立ってる焼き場はホール中央の通路側にいて、ホールの扉に手が届く距離にある。手が空いてれば出ていかれる客に扉を開けたりしてるのです。
「そうやってドアボーイもされるんですね」
「ええ、場所がここ(入口のそば)なんで、自然とそうやらざるを得ないんですよね」
でも声をかけたお客がこの店に来るとは限らない。視線の法則と併せて何だか損な感じがする。
正統派のレバ、カシラをいただいて。。。
カシラ
レバ2
レバ1
熱燗2牛サガリ
〆はコンポーク、仔豚のほほ肉のコンビーフ風、汁気を絞ったツナのようでもある。
コンポーク1コンポーク2コンポーク3コンポーク4コンポーク5
私は燗酒を飲んでいます。すすめられたのはフグのヒレ酒や岩魚の骨酒ではないが、タタミイワシの熱燗なんですよ。炙ったタタミイワシが入ってる香ばしい酒、昆布茶のようでもある。ガバガバ飲むと危険です。
熱燗1
熱燗5
店5
雪が止んだ頃に出た。帰途は地下鉄だし。降られる確率も少ないだろう。
3つのOBがいる店舗のうち、1回に選べるのは1店舗だけなので、何だか他の2店舗に対して「悪いなぁ」と思ってしまったりするのだ。
ホール内が混雑していれば気にならないけど今日みたいな日は特にね。
ハシゴすればいいってか。今はそういう気はないし3軒もハシゴできるだろうか。私は立ち飲みをしない人なので、サクッと飲んで次へってのがなかなかできない。1か所ずつ腰を落ち着けてそこで満足を得たい。
上大岡の系譜、最後の1軒も取り上げますが、その前に明日は臨時休業だった大船の名店?にリベンジを果たさなくては。

上大岡の系譜①

営ってないじゃないか!
休みでやんの1
休みでやんの2
1月10日23日24日連休だってか?
10日休みは祭日の延長だろう。今日は23日で明日も休みかい。
休みでやんの3
何てこった。今週はジャン妻が遠方出張で不在なんだよな。
さてどーしようか。ただでさえ少ない居酒屋カテゴリが3年のコロナ禍で更に減ったからな。
ひとりで上大岡の串焼き屋本店(今はBARになった)に行く気もないし。
街中華で軽く飲み食いして地元スナックにでも流れるか。
野毛1
野毛2-1
野毛3-1
大船から野毛小路に来てしまいました。東海道線で横浜まで戻って根岸線で桜木町まで来たんですよ。
後でジャン妻から、
「大船から桜木町までわざわざ戻ったの?根岸線で?」
「いや、東海道で横浜まで」
「ああ、それなら」
ジャン妻は予算とか実績とか移動ルートの効率化とか、そういう数字チェックににうるさい人でね。大船から根岸線で桜木町だルートや、戸塚で市営地下鉄に乗り換えて桜木町にしたら「何て無駄な時間を」言われます。「東海道線で横浜~根岸線で桜木町の方が早いじゃない」そういうチェックに細かい。
その前に私をひとり飲みにしたのはそっちの出張のせいだぞ。
店1
店2
店3
5店舗がワンフロアに集まった屋台村みたいなホールには5つの店舗があって、うち3店舗にかつて上大岡にあった串焼き屋の名店(鳥佳本店)にいた若手リーダー4人がいます。
引き戸を開けたら入り口の右の店「風太郎」の店長が「いらっしゃい」と言ってドアボーイの如く招き入れてくれた。彼も上大岡にいた方です。
扉を開けて「いらっしゃい」と言っても、自分の店に来てくれるかはホール内にある1/5の確率なんだよね。そのまま別の店に歩むのを見送らなきゃならない。
私も内心ではいつかは右の店「風太郎」にも行かなきゃならんなぁと思いつつ、真ん中左の鶏串焼き屋さんへ。
店4
店内2
かつて上大岡にいたTさんUさんが切り盛りしています。
「今日はTは休みです。昨日まで2人ともいたんですが」(Uさん)
今日はUさんひとり、そして上大岡にいたバイト嬢と2人で営っていた。ひとりでも廻りそうだが、ホールという性格上、ひとりオペは避けたいそうである。カウンター以外にフロアにもテーブル席があるし。
バイト君も店に来る客層、客筋も、あの上大岡が閉店(正式には移転・縮小)して、人づてに聞いてこっちに流れて再会した感じだ。
1月の成人の日までは店内は盛り上がったそうだが、それ以降の1月2月はピークが過ぎていったん落ち着き、3月4月の歓送迎で盛り返すべく虎視眈々と意気込んでいた。
メ
かしわ1かしわ2かしわ3かしわ4レバ1レバ2アスパラ
今宵はそんなに食べなかった。レバ2本(塩、タレ)、かしわ2本(塩、タレ)、アスパラ、
「とりわさ今日はある?」
「ありますよ!いいのが!」
とりわさは過去最多の鳥インフルの影響で品薄のときがある。このときは養鶏卵が大変なことになっていたけどね。
今はどうなんだろう。
わさ1わさ2
わさ3
1ヶ月半Blogを休業したので記事のタイムが遅れています。この日は1月23日ですが、1月10日時点で全国23道県で57例の感染が確認され防疫措置の対象となった鳥はかわいそうに1000万羽を超えたそうな。
市場に出せなくなってどうなったかは報道の通りだが、農家さんもやるせないことであろうよ。
昨年は都内の某焼き鳥屋チェーンで中国産の鶏肉の仕入がままならなくなり「おひとり様何本」の制限まで出てた店があったね。
結局その店は撤退した。焼き鳥やで本数制限なんてやったら客は来ないよな。
わさ4
とりわさは肉屋で売ってないね。見たことないな。表面をサッと湯がいた鶏のササミだから生食のリスクは少ないけどね。
表面は白い。中は生の状態、山葵醤油でいただいた。
わさ5
酒は会津中将をススメられて飲んだんだけど、これ、家でも飲んでるんだ。会津湯野上のW酒店で注文してすぐに届いた。
「温めます?」って言ってくれたんだけど、常温で飲んだ。
家でも飲む酒
「上大岡、行ってます?」
「いや、ぜんぜん行ってない。素通りですよ。」
だって大船からこっちに来てるんですよ私は。
駅から近い2階のもと4号店が現在の本店になっている。↓
ニュー本店6かつての4号店
私も数回利用したが。
「あれはBARだし、ひとりでカウンターに座って日本酒を飲む気にはなれない。何人かのグループだったら行くかもだけど。なぁんかこっちに来ちゃうんだよねぇ」
そう言ったら嬉しそうだったが、最初見たときは「ワンホールの屋台村かぁ。こういうのって自分、今まで入ったことないんだよなぁ」って戸惑ったんだけどね。
わさ6
店名「鳥導」の由来を聞いたら目標の意味だという。目標=標識の標=シルベなんだけど、標よりは導=シルベ、自分たちの目標でもあり、自分たちやお客さんを導く、そういう奥深い意味らしい。
会津中将は2杯飲んだが、食べたのは串を5本、鶏わさだけ。今ジャン妻は今日とあと2晩いないのでその間は確実に外飲み。なので最初の晩である今宵は自制が働いて抑えたのだが。
その後、こうなってしまった。。。
松屋4
松屋4
松屋5松屋6
やってしまった。地元最寄り駅近くのスナックが休みで、小腹が空いて松屋で小さい牛めしを食べてしまったという。
タッチパネルの券売機、できあがったものを出すだけです。接客接遇ナッシング、前はこんなんじゃなかったんだけどな。
そしてこのあと、コンビニで禁断のスナック菓子を購入して家でまた飲み直してしまった。
こんな映画を観ながら。。。
白頭山大噴火
店5
そして翌晩、同じく桜木町ホールで、もうひとりの若頭と再会するのですが。。。

外でお待ちください

待つ1
待つ。。。
ひたすら待つ。。。
外のベンチで待つ。。。
待たねばならぬ。。。店の中から店主が呼びに来るまで待つのだ。
それがこの店のルール、掟である。それが遵守できない者、待ってられない者は他に行った方がいい。
待つ2
待ってる間に喰い終えた先客が店から出てきても、入れ代わりにすぐ入ってはいけないみたいだ。次の客を受け入れる店内の準備が整っていないからである。
でも先に店内の券売機で券を購入するのは黙認されてるフシもある。それでも購入後はまた外に出て待つのである。
私の左にいる坊やは寒そうだった。店内を覗いて不思議そうにしていたのは、客が2人、出てったのにまだ自分が入れない、呼ばれないからだろう。
無粋ながら私も店内を覗いてみたら確かに店内に1席、空席があった。でも外で待つ客の意思では入れないようだ。店主が呼びに来るまでは。
後でわかったのだが、店主ひとりで全てをまかなっていたのです。喰い終えた客が出ていって席が空いても、そのとき店主が調理中なら手を休めるわけにいかないではないか。店主自ら厨房から出て、店から外に半身を出さないと呼べないからである。
ホントに呼ばれるのかな?一抹の不安がよぎらないでもないが、今左にいる坊やの前の客は2人連れだったが、こういう店ではグループ客の誰かひとりが先に順番を確保するのはご法度である。
外の待ち席は4人分しかない。それ以上だとどうやって並ぶのだろうか。隣のテナントにはみ出したらクレームものである。
待つ6掟2
こういう貼り紙があるところを見ると、過去にそういうトラブルがあったんだろうね。別にこの店に限ったことではない。何処にでもよくある話だ。
左の坊やが呼ばれた。
そこからが長かった気がする。
確かに寒いな。幸い私はダークスーツの上に来ている防寒着がフード付きなのでよかったけど。
ひとり客が出ていった。
でも店主は出てこない。
私は業務携帯に届いたメッセージやCメール、PCからトンで来た業務メールを見て返信して、指示を配信したりしている。立ち上がって腰を伸ばしたりもした。
待つ7立ち上がって腰を伸ばす
そうやって待ってる間にひとりの若い女性が私の右に座った。やっぱり焦れたのか店内を覗いてたが、でも私がじーっと鎮座しているので大人しく座り直した。
バイクの音が響いた。休業中の向かいのテナント前に停車、キーを抜いてヘルメットを外した彼は女性の後に座った。やっぱり店内を伺っている。
もうひとり客が出ていった。でも呼ばれない私はじーっと待っている。
こうなるともう禅の世界、修養の場だな。待たされるのではなく、自分が何所まで待てるか試したくなる。
私より遥かに若い後続客の前でみっともない真似はできない。襟を正して待つ、自分は待てる人間なのを示さなくては、模範を示さなくてはならないな。そう思うと待たされてる感が消えていった。冬風に吹かれながら無心になっていく。
だが突然、苛立った甲高い声で我に返った。私から見て何番目か後の待ち客が扉を開けて中を覗き込み、
「ねぇ、寒いんだけど中で待てないの?」
店主は何か返したようである。「準備ができるまで外でお待ちください。皆さんそうしています。そこに書いてあります」、のどれかだったと思う。
苛立たし気なそのお客は中を覗いて空席があるのを見た筈である。納得がいかない調子でまた後ろに並んだ。
(気持ちはわからないでもないが。。。)
(自分にはできないな。。。)
(他へ行かれた方がいいのでは?)
そう思いながらまた無の境地に入っていった。
待つ5掟1
こうやって辛抱強く待っているのは、この近くの東軒が定休日だったからなのです。
隣の洋食屋も満席でさ。
東軒休み1
時間が過ぎていく。こうやって待つのは病院の待合に似てるね。もう1回、無の境地に落ちかけたら扉が開いて店主がカオを出した。
「おひとり様ですか?」
私はウンと頷いた。
「お次の方も?」
後ろの若い女性客の声は聞こえなかった。ウンと頷いただけだろう。
そうやって2人同時に入れた。券売機の前に立った。
券売機
緊張を伴う儀式というか、試練をクリアして入れた店内はカウンター7席のうち2席は外され、5席しか稼働していない。店主ひとりで廻せるギリのキャパなのだろう。
店内1椅子2席は外されてた
どんないかめしい店主かと想像したらそうでもなかったのよ。ラーメンの鬼と呼ばれた故・佐野実氏みたいな厳しい風貌の人を想像してたんだけどな。
店主2-1
冷水ボトルならぬヤカンが置いてある。ラグビーの魔法のヤカンみたいだ。
ヤカンは私と同時に入った女性客と共用の位置にある。「先に汲むよ」と声を出すのも憚られるので、私は左掌で断りを入れて水を汲んだ。
提供は早かった。店主は中華そばの麺を手先で丁寧に揃えてましたね。中華そば1中華そば2中華そば3中華そば4中華そば6中華そば5中華そば7中華そば8中華そば9中華そば11
ズルズルすすってたらバーンと扉が開いて、外待ちのさっきの男性客が、
「外寒いんだけど中で待てないの?」
店主のやや厳しい声がとんだ。
「準備ができたらお呼びしますので外でお待ちください。皆さんそうされています。そこに書いてあります」
「それはわかるけどさぁ」
不承不承出て行かれた。私の真後ろで言うから少し興醒めしたが、確かに外は寒かったのよ。晴れてるからいいけど雨でも降ったら・・・?
他へ行かれたらいいだけのことか。
先客さんがひとりか2人出ていかれたのかな。ようやく、やっと、くだんの寒がりさんが入店されたよ。寒いのに外で延々待たされた不満を呟いておられたが、店主はお客さんとして接していましたね。
狭い店内なので外で延々待つのは仕方が無い。5席しかないし、調理、片付け、洗浄、消毒、それら全てを店主ひとりでやっているんだから。
では客が出ていかれて次の客が入れるタイムラグをできるだけ短くするにはどうすればいいのだろうか。
食べ終えて空いた丼はカウンター上に上げる訳だが、店主はそれをすぐ洗い場で洗ってたかどうか。出ていった客のカウンター上を拭いて消毒して、待ち客を招くには店主が厨房から出てこなければならないからね。調理中に「ごちそうさん」言い置いて出ても、そのとき店主が調理中だったらそっからが長いわけよ。
店主が次の客のラーメンを出したタイミングで席を立てば多少は流れが早まるかな。
逆に言うと急いで食べて出る必要はないわけですな。
誰かサブのバイト嬢かバイト君でもいればいいのかも知れないが、結局は店主がGoサインを出さないといけないから同じことだろう。
中華そば10
中華そば14
中華そば12
中華そば15
空いた丼をカウンター上に上げた。
「ごっそさん」(ボソッ)
「ありがとうございましたぁ。またお待ちしておりますぅ」
至って普通の声音でした。

外に出て待ち席にカバンを置いてフード付きの上着を被ってたら、待ってた男性に話しかけられた。男性はさきほど入ってこられて券を購入済みなのですが「外でお待ちください」やんわり言われて外で待っていたわけですよ。
「あの、初めて来たんですけど。この店、外でじーっと待ってなきゃいけないんですかね」
「ええ、そうなんですよ。私がこうして出てきて席空いたけど、店主ひとりだから片付けてOKになったら呼ばれます。さきほど焦れて中で待てないのかって言ってきた方がいたけど、外でお待ちくださいって注意されてましたな」
「ああ、なるほど。そりゃ言われますねぇ」
そういう自分だってこの店、今日が初めてなんだけどね。
店2
店1-1
外の待ち席に座ったのが12:16、
入店が12:34、
着丼は12:41、
出たのが12:50、
30分以上を要したが、駅に向かう道すがら妙な恍惚感、優越感があった。私は待てる辛抱強い人間なんだよ、泰然自若で動じないんだよって鼻が高くなった。
反面、いつもの自分じゃない気もした。緊張感のある店だった。サイコーですね。
ネタになるし!(笑)

東軒ラーメン

JR東十条駅の改札はホームの端っこ、北口と南口とあって中間にはない。10両編成の京浜東北線の先頭車両と後部車両のそれぞれ端と端に改札があるのです。
WCなんか北口にしかない。南口改札に配置された駅員さんは北口WCまで走っていくのだろうか。
私の出先は南口、王子駅側なのですが、タイトルの「東軒」は北口の東十条商店街にある。赤羽側です。なので10両編成の端から端までの距離分を延々と歩き、商店街に入ったら今度は王子神谷駅方面に歩かなきゃならない。案外と距離があった。
商店街1
商店街2
店1
店2
店4
「東軒」が見えてきた。到着は11:40、店のOPENは11:30~だから開店早々にドドッと最初の客が一気に入った頃合いだった。
1席空いてたカウンターに目がいったら、ママから、
「そこ、いらっしゃるんで、そちらへ」
ママが言う「いらっしゃる」客はWCを利用中だったので奥の2人テーブル席をススメられた。カウンター席とテーブル席の間が狭いので気を遣うよ。
開店早々の混雑でややアタフタ気味なママが冷水コップをもってきて、私は壁のセットメニューを指して、
メ2
メ1
下から2番目を指して、
「これにする」
「東軒ラーメンセットね。はぁい、東軒ラーメセットぉ」
ママは「あずまけん」と言った。ひがしけんじゃなかった。
業務携帯で指示命令や問い合わせに回答したりしてしばし待ちます。その間に出された他客さんのオーダーは、テーブル席にチャーハン単品、この店でいちばん高い1040円の半チャーハンセット(ハーフの量以上あります。)、カウンター席に何かの炒め物定食、唐揚げ定食、私の東軒ラーメンはその次で11:40に着盆したのがこれ、店名を冠した東軒ラーメン。。。
ラ1
ラ2
ああ、こういうスタイルなんだ。溶き玉子のかき玉なんだね。食べる前から熱々、塩スープでマイルドな味であろうと察しがつくし、実際そうだった。
これはセットものなんだけど、イヤらしい私はセットと単品とどう違うか見てやろうとした。壁に東軒ラーメン単品の写真が貼ってあって、それには蒲鉾が入っていた。
メ3
でもこのセットの東軒ラーメンには蒲鉾なんて入ってないのだ。
まぁ別に蒲鉾なんてなくてもいいけどね。どっかの店で五目そばや五目焼きそばなんかで無理くり5品目に数合わせする為に冷えた蒲鉾を入れたりするよりいいと思った。実際そういう店があるのよ。あんかけじゃない五目にそういうのがあるの。
蒲鉾を抜きにしても野菜が具沢山そうだが、最初見たこの時点では豚肉が少なく見えた。それでいて何故かメンマが多いのだ。
セットには、小ライス、ザーサイ、もう一品とあって、そのもう一品とは何のことはないふりかけなんだよね。
ふりかけを使ってみた。ご飯のおかずになる肉が少なそうに見えたからです。
もう逸品1
もう逸品2
ふりかけ、この店で初めて使った。信じ難いかもしれませんが、私は他でもふりかけって自分の意思で使ったことが一度もないのです。
ふりかけをご飯に塗すのは、おかずに対する冒とく、調理してくれた人へ失礼だとず~っと思ってた。なのでふりかけの開封の仕方がわからず、ブキな指先で悪戦苦闘した。力任せに引きちぎってその辺にブチ撒くような粗相をしたら悲惨なことになるので慎重に。
そしたら全体に塗すところか、一部の面に集中して降りかかってしまったという。この作業に時間を要した。こりゃ麺が伸びたな。
ラ3
ラ4
ラ5
熱々のかきたまスタイルにメンマがたっぷり乗っている。野菜、豚肉を一緒に炒めている具材がたっぷり入っていた。食べ応えがありそうだ。
ラ6ス1
野菜はキャベツが主役だ。緑色野菜はニラではなくピーマンだったよ。
細いピーマン単独で摘まんでみる。あとから細くない平たくカットしたピーマンも出てくるので、カットの仕方は結構アバウトです。
ラ7野菜1キャベツ1ピーマン1
ラ8野菜2ピーマン2
ラ9メンマ
メンマが多い。美味しいけど。この店は搾菜もそうだけどメンマも自信があるみたいだ。
もう一品と銘打ったふりかけの開封に悪戦苦闘して慎重にやったせいで時間がかかり、黄色い麺が伸びてヤワになってしまったよ。
ラ10麺1
ラ11麺2
ラ12麺2
麺は町中華らしい黄色い縮れ麺、スープに馴染んで美味しいけどヤワイ。少しだけダマになってたかな。その黄色い麺をこれ以上伸ばすまいと、3回くらい熱ッチチチしながらズルズルすすってたら、底の方からも野菜がドドドッと出てきたのであります。
溶き卵のスープ、
ラ6ス1
底からナルトまで出てきた。中華そばのビジュアル的なナルトを最後に上にチョンと載せるのではなく、野菜と一緒にナルトも炒めてあった。ナルトにも溶き卵が付着している。
ラ16底からナルトが出てきた
細くカットされてないアバウトなピーマンが出てきました。
ラ14底から野菜が出てきた
ラ17まだ野菜がある
後半になってもまだ野菜が出てきた。今頃になってニンジンが現れた。
そして最後の最後になって底からこんなに豚肉が現れるというフェイント、もう私はふりかけをご飯にかけて、あらかた食べちゃったんだけど。
ラ18底から肉が出てきた
マイルドなかきたまスープでしたが、最後に残した少しばかりのご飯をレンゲに入れてスープと一緒に食べたんだけど、ヤワイ麺と併せて何だか病人食みたいでしたね。
搾菜
搾菜はいいアクセントです。ラーメンのかきたま塩味スープより、搾菜とふりかけの方が塩気が強かった。
いろいろ出てきたし、意外性もあってほどよいボリューム感になった。まぁまぁの満足感であります。
「お冷やございますかぁ?」
「あ、貰うワ」
こういうスープだけに熱々、上顎を火傷したりしなかったが、冷水は必須だね。夏場には焼肉ラーメン、冬場は東軒ラーメンがおススメです。
店3
商店街3
東十条駅に戻る。下りたときは南口だったが、今度は北口に向かう。
写真途中の左手にある「机上の空論」が明日の記事です。この中華そば店には外に待ち客が4人いた。混んでて待っているのではなく、この店の掟というかルールなのです。
硬派な店だった。どんな店かというと。。。(明日)

船山温泉

甲斐の国南部町、身延線の駅がある内船地区から富士川を渡った右岸の奥まった本郷地区に、何でこんなとこにあるんだ?的な1軒宿がある。
船山1
鄙びた温泉旅館ではない。近代的な建物。
周囲は森と自然で人家がない。宿前の林道を先にいっても人家は無く、人工物は宿の前を流れる船山川の堰堤だけである。そこへ立ち入るのは森林関係者や河川関係者だけ。
町から伸びる中電の電柱と電線は宿で途切れている。居住区はこの宿でENDなのです。
部屋数は14部屋・・・だったと思う。コロナ禍になってからは満室にしないで、いいとこ10部屋、10組まで。

私らがお気に入りの215室、L型の巨大な曲がり家の先にある。
すぐ傍を流れる船山川にいちばん近い部屋、大雨のときは濁流音が凄いです。
この部屋が気に入っているのは単に階下にある食事処や湯場への動線が短いからです。
船山2
船山4船山5船山6船山7
「最初に行ったときから何年経ったっけか?」
「覚えてないなぁ」(ジャン妻)
知り得た頃はPVリゾートと謳っていたと思うが、初回の感動なんかもう覚えていない。歳月を経て宿側・対・利用客の距離感もアヤしくなってきている。
船山8
温泉成分は宿の敷地内や裏手の岩から染み出ている。硫化水素だが源泉温度が低いの湧かし湯、なので源泉かけ流しではない。
湯は4つ、露店は2つある大浴場(静山、渓流)にあって、別に小さい貸切湯が2つ(清水、二人静)
船山9船山10船山11船山12船山14
何で観光地でもないこの地に宿を開いたのか。
開湯は明治末期で、現在の館主(Tさん)から数えて4代前だったといふ。T本家から分かれたその方がこの地に硫化水素が染み出ているのを発見、こりゃ商売になると湯治場を開いた。
宿前を流れる船山川は暴れ川だった。源流は背後の御殿山で延長5kmしかないが高低差が急で、台風の度に氾濫して付近に大損害をもたらす暴れ川だった。大正に入ってから堰堤や護岸工事が始まった。私は工事人たちの憩いの場で宿が成り立っていたと推している。今はやってない日帰り客や宴会も催ったであろ。
それが現在のスタイルに大改装したのは平成になってから。現館主(Tさん)が継承してこうなった。
Tさんはコンセプトを変えた。周囲に観光地がないのを逆手に取ったのである。休日とは何か?観光旅行もいいけどその為に疲れてしまったら休みの意味がない。宿入りしてそこで過ごす。寛ぐスタイルを模索した。
チェックインは午後13時、チェクアウトは翌日の11時まで、最長22時間の「滞在できるスタイル」にした。22時間いたって何をするかって「何もすることがない時間の贅沢」がこの宿のウリのひとつ。日々の疲れを癒すプライベートリゾートに変えた。
フロント前に貸し出しのDVDくらいはあるが。私は借りたことないし、TVをONしたこともないんだよな。
兎にも角にも早く宿にお越しになって、夕食前のひと時を散策、風呂、部屋、館内で寛いでください。そういう宿なのです。
今は言われなくなったが、知り得て最初の頃は「今回ものんびりできましたか?」そう聞かれた。それが「今回も新しいネタはありましたか?」になり、今は「またヘンなネタを拾われて書かれたりしないだろうな」警戒しているフシがアリアリである。
船山21船山22
宿のウリ、拘りは料理にも表れている。出される素材は山に囲まれた甲斐の国ならではのもの。
私をこの宿に導いた方が、
「館主(Tさん)に、静岡県に近いんだから海産物を出しても喜ばれるんじゃないの?って言ってみたんだけど、頑としてダメみたいなんだよね」
そう言っていたのを覚えている。
部屋食ではなく食事処の個室でいただくのは部屋食だとニオイがつくからと聞いたことがある。別室に移動することでそれはイベントとなり得るというもの。
最初のテーブルに並んでるのがこれで、説明聞いたけど忘れた。土っぽい地味な色のテーブルクロスの上に山の幸が並んでいる。惣菜類の皿や器も黒か茶か深い緑か紺しかないようである。見た目は暗くてインスタ映えしたい料理ルックスですが、いつも逸品揃い。
船山23船山24
造りはイワナです。平目じゃないですよ。
宿で育てていた頃はサイズがデカかったが、今はどっか別の場所で育てているのか少し小さくはなった。
イワナのナメロウがついてきた。
船山25
最初、向かいにいるジャン妻に向いていたのを私の方に向け直したところ。
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いつもは猪鍋(味噌味)なんだけど今回はプランを変えた。甲州牛のしゃぶしゃぶ。
熊のしゃぶしゃぶもあるんだけど、あれは脂身というかコラーゲンというか、それは固辞しました。どちらも期間限定か、入荷の見込みがあるときだけかもしれない。
いい肉です。あまりサシが入り過ぎてるでもなく、赤身という感じでもなく。
野菜類は、エノキ、セリ、白髪ネギ、クレソン、家の鍋に比べると野菜が少ない感がするが、鍋だけでお腹いっぱいになってしまうわけにいかないからである。
船山34船山35船山36船山37
イワナ、通常は王道の塩焼きですが、私らはいつも素揚げです。
何で石っころが添えられてるんだ?
船山38
「この石は何?」
「料理長が、渓流をイメージして」
「ふぅん」
「河原の石?」
「それだともっと大きくなります(笑)」
(さては畳の端や角っこ、ところどころに敷いてあるあの石だろ。)
答えてくれたのはT館主の片腕、Kさん、この宿では掃除部兼接客係の小柄なMさんに次いで永年勤続表彰モノであります。
その小柄なMさんは熱燗を持って現れたけど、T館主は私がMさんを構うのを余り好まないのだ。こっちから手を振りながら「Mさぁん、元気だったぁ」話しかけようとすると間に入って身体を張って制止しようとするのである。
何故だろうか。
イワナのナメロウで気が付いたのだが、前回から料理長を新雇用したそうである。どんな方か根掘り葉掘り聞こうとしたが、この辺りもガードが固いのだ。
船山39船山40船山41船山42
そして石ころが残った。。。
船山43船山44
いつもの甲州ワインビーフステーキ、ではなくて、初めていただいたローストビーフ、これも美味かったな。「どっかの木」で出されるやわらかいけど薄っぺらくて、どうやったらこんなに薄くカットできるのか挑戦したような肉よりしっかりした肉厚であった。
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蕎麦も粉っぽくなくなった。蕎麦宿には敵わないが。。。
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釜飯はまぁ毎度変わらず腹を膨らませるだけですが、吸い物、岩魚の骨汁に魚の身が1枚入ってたぞ。
この後のデザートが私的には問題で。
別腹が無いし、齢を重ねて食量が減ってきているので、結構キツくなってきているんだよね。
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宿の弱い部分は、①源泉かけ流しではない、②観光地ではない、③周囲に何もない、ですが、地のもの、ここだけでしか味わえないものがある、それを提供して宿の弱い部分を補う経営戦略なのです。
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そして深更前の二次会、今回はくるまでなくて電車なんだけど、ドライヴの御守りのプチ公がついてきた。
船山63
ジャン妻は先に寝てしまった。することないからである。まだ20時半前ですよ。
だから人によっては退屈かもこの宿。他の部屋の人たちは部屋で何してるんでしょうねぇ。TVかDVDでも観てるんだろうか。
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夜の帳が宿を覆っても敷地内の灯りは22時まで点いている。害獣防止の為である。
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飲酒後に風呂で汗を流すと体からアルコールが出るってのは大きな間違いらしい。
体が温まるから血液の循環が良くなり、更にアルコールが全身にまわってしまう。酔いを覚ますどころか酔った状態になってしまう。
私はもう酒を飲んでから湯に浸かることをしなくなった。その代わりに身体についた料理臭とアルコール臭を落とす、洗い流す為にシャワーだけサッと浴びた。
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22時にガクンという音がしてブラックアウト、宿は漆黒の闇に包まれる。闇の向こうに木々に隠れて山の動物たちが息を潜めてこちらを窺っているかもしれない。
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世が明けて6時頃、県境の天子ヶ岳(だと思う)方向から陽が昇る。
掃除部のひとたちが出勤してくる。
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朝8時前にコールが鳴って昨夜と同じ食事処へ行かなくてはならないがジャン妻はまだ眠そうである。あんなに早い時間に寝たのに。
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朝餉の器も手触りが無骨で色は黒系が多いが、白い器が2つあるのがわかりますか。
昨夜の前菜もそうだが、大きい皿というか殆ど台、陶器だと思う。これら小さい惣菜を載せてる台を片手で持って洗うのってタイへンそうだ。
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チャーシューは脂身が増えたな。
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山女魚の一夜干し、台の上には小さいけど甘露煮、昨夜、造りと素揚げも出たから、川魚を都合5尾いただいたことになる。
ジャン妻は箸先でホジホジ、私は箸先がブキなので、アタマから尻尾までバリバリ、
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白い器が2つだけあってご飯茶碗とサラダ、サラダにはT館長いわく「温泉宿ではあまり使われない素材だと思います」のキャベツの千切りがたくさん入っている。
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サラダに添えられたサーモンは生のようでもあり、燻製のようでもあり、
船山135
自家製ドレッシングをかけ過ぎてもかけ過ぎても底の方までたどり着かず、単なる生野菜なので、
「かけ過ぎでは?」
「足りないくらいだ」
船山136
煮物は前に出されてた筍の煮物の方がいいなぁ。あれは味が浸みて崎陽軒シウマイ弁当に似てる味だったのだが。
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シュワシュワ蒼白く燃えてる固形燃料の鍋が2つあって味噌汁と自家製豆腐、味噌汁の鍋は売店で売ってるけど、鍋底はおたまですくい難いのだ。
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こんなことをやってる客は他にいないと思うけど味噌汁は味変が①②と2回できるのです。その①、脂身が多くなったチャーシューを味噌汁に落として豚汁バージョンにする。
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前はこの足軽陣笠豆腐をやや持て余していたのだが、地元の個人店の豆腐屋が廃業しちゃって喰いたくもないスーパーの豆腐ばかり食ってるせいで、これが美味しくてしょーがなくなった。
パック詰めにして売店で売ればいいのにと思う。
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味噌汁の味変その②、豆腐を冷めた味噌汁に移して再度、温めていただいたりする。
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宿のHPには「朝食後、お風呂に入って、お布団で、またゆっくり過ごすことが出来ます。」
11時までギリ寛げますが、10時チェックアウトに慣れちゃってる人は先に出て行かれますね。
でもこの1時間差が案外と余裕で。蕎麦宿はそうでもないけど、どっかの木は忙しないからね。
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会計して領収書を見た会話、
「高くなったわねぇ」(ジャン妻)
「前と比べたらね」(ジャン)
さすがにフロントでは言ってないよ。家に戻ってから言った。宿代だけなら如何に蕎麦宿やどっかの木が安いか改めて分かったようなもの。
高くなったということは宿は変わったのである。かつての料金体系を知る者としては高級旅館になっちゃった感があるが、これからも改訂はあるかもしれない。燃料費他、諸物価の高騰で仕方が無いのだが。
変わっのは宿だけじゃない。私自身の雇用形態ももうすぐ変わる。
私のBlogもこうして変わったし。
次回の訪宿日も近づいている。

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