2023/10/31
日高屋ウオーズ
今日は店の外観写真は載せないよ。
撮ってないし。
いきなり駅前熱烈中華のメニューです。昨日載せたかた焼きそばは無かった。
このチェーンの利用客は、大分類で①②とあって、
①はサンプル・ディスプレイを見て「入ろうかなぁどーしようかなぁ」と迷いながら「いいやここで!」意を決っして入る客です。
②は予め「今日はここで何々を食べるぞ」と決めてる人だな。
その2種に分かれると思うのだ。野菜たっぷりタンメンとか、個人的には止めといた方がいいと思っているあんかけラーメンとか、要は店のメニューをだいたい把握しているお客です。
そこから更に小分類すると、
①ご隠居ランチ、
②昼からひとりで呑む輩、
③今日は勤務日の会社員、
④今日は公休日の会社員、
その4種に分かれると思うのだ。
私は大分類で②、小分類だと③だが、私也の別分類があって「今日は何でもいいや」という日ですな。
個人店の新規開拓はめんどいし、過去に利用した個人店も気が載らない、急いでもいるし、手堅いチェーン店でいいやって場合です。
私はこの日の昼は何でもいいやモードだったので、何も考えずに駅前熱烈中華チェーンに入った。
店の若い子から「いらっしゃいませぇ、カウンター席でお願いしまぁす」と叫ぶように言われたが、そんなん言われなくたってカウンター席にしますわな。
だがこの店は狭く、カウンター席が壁に向いていたので少々前からの圧迫は感じた。
今日はジャン妻は出張でいません。なのでひとり飲みの夜に備えて野菜でも多く摂っとくかと。1日の必要野菜何グラムの野菜たっぷりタンメン、麺少なめ、さして美味くもない餃子3個、半ライスをオーダーした。
以下、料理写真の合間に店で起きた人間模様を取り上げます。
ひとりの婆さん客が入ってきて空いてるテーブル席へ座ろうとしたら、店の若い子が、
「カウンター席へお願いしまぁす」、
婆さん客は抵抗した。
「えぇ、テーブル席じゃダメなのぉ?」
その抵抗にお孫さんほどトシが離れてる若い子、スタッフは、
「こちら、3名様4名様用なので、カウンター席へお願いしますぅ」
言ってることは正論のようではあるが、店側の都合でもある。
だが、婆さん客は納得しないのだ。
「なぁんでぇ?いいじゃないのぉ、まだ空いてるんだしさぁ」
確かに空いてはいる。だが店の子も頑として譲らない。
「この後、お客さん来ますので。カウンター席へお願いします」
「まだ来てないじゃないの~。いいじゃなぁい。ここでぇ」
テーブル席希望の婆さんと、カウンター席を指定する店の子のせめぎ合い、攻防になっちゃったのである。
その若い子だけでなく厨房からも援護射撃のように「カウンターでお願いしまぁす」がトンできたのには驚いたな。後方から最前線に迫撃砲を放ったように。
モニターでもあってフロアが見えるのだろうか。
そのすぐあとからひとり客がパラパラ来たのだが、いずれも2人の押し問答と空いてるテーブル席を横目に見ながら、
「いらっしゃいませぇ、カウンター席へどうぞぉ」
「カウンター席でお願いしますぅ」
そう言われて仕方なく?カウンター席に座らざるを得ないのだが、フロアでも厨房からも「カウンター席へ」のお願い声がいちいち響いて少々耳障りではある。
この店はひとり客は何が何でもカウンター席だぞ、テーブル席には座らせないぞ、そういう強硬な意志を感じた。間違ってでもおひとり様をテーブル席に座らせると店長や上の者から「私たちが怒られるんでぇ」ペナルティーでも課されるのだろうかってくらいにね。
婆さんは仕方なくテーブルカウンター席に座った。カウンター席といってもテーブルを向かい合わせにした席なので、前に誰かが座らない限りはその婆さんひとり席なんだけどね。
その婆さんは私と同じく野菜たっぷりタンメンをオーダーしたんだったかな。そしたらそこへひとりの杖をついた爺さん客が入ってきてテーブル席に座った。脚が悪いらしい。
その爺さん客のテーブル席着座はスルーでオッケーだったんですよ。
さも当然のようにテーブル席に座った爺さん客は、まだブツクサ言ってる婆さん客に捕まって自分に即、対応しない(できない?)子に向かって、
「オイっ」
オウッ、にも聞こえた。呼びつけるにしても「オイ」とはエラそうだな。
さすがに脚が悪そうなその爺さん客をカウンター席へお直りはさせなかったが、婆さん客が爺さん客に気付いて「その人は何でテーブル席で、アタシはダメなのぉ」となったわけよ。
タイミングの悪いことに厨房からも「カウンター席へお願いしまぁす」がまた飛んできた。脚が悪いのが見えなかったんだと思う。
「お身体が不自由のようなんでぇ」
ヤバ、この声が大きかった。テーブル席を容認した理由を厨房の先輩へ放ったのか、不公平感の不満を洩らす婆さん客に聞こえるように言ったのか、双方に言ったのか、正当化する為に言いたい気持ちはわからないでもないが、その言い訳と声は私を含めて周囲に聞こえるように言ったので、当然その爺さん客にも聞こえたわけよ。
自分のことをそう言われた爺さん客はオモシロくなかったか、更に吠えるような声で「オイッ」を連発した。
「オイッ、肉そばっ」
すぐには向き直れなかったので、杖で床をドンと叩いた。オーダー対応を催促するにしても、店の床をド突くこたぁなかろうに。
「オウッ」、ドンッ、また床を突いた。店の子が向き直った。
「肉そばっ」
「肉そばでございますね。以上でよろしいでしょうか?」
「オウッ」
何か声を出す度に手に持ってた杖を床にドンドン突き付ける。こっちまで響いてくる。私は振り向いてギロッ!今度ドン突きしやがったら「うるせぇぞこの野郎」を言う体制に入ったら爺さん客と目が合ってそのドン突きは止んだ。
肉そばがその爺さん客に提供された。
「肉そばお待たせいたしました」
「ウン」
今度は「オウッ」もドン突きもなかった。静かな態度だった。
これかい?肉そばってのは。
なるほど肉を喰らう高齢の方は元気なんだな。不要な元気だとも思うけどな。
私のタンメンにも肉は混じっている。
屑肉です。美味しくも何ともない。こんなんなら入れない方がいい。
お客さんが増えてきたがいずれもひとり客ばかりで、私の滞在中に2人以上の客は来なかった。
なので入ってくる度に「カウンター席でお願いしまぁす」「カウンター席へどうぞぉ」いちいち連呼されている。うるさくてしょーがない。
くだんの婆さん客はまだ納得がいかないらしく、
「ねぇ~、会議のときにエラい人に言っといてよぉ、アタシみたいな年寄りはぁ・・・」
訴えるように言ってた。しつこいねぇ。
叫ぶように連呼される「カウンター席でお願いします」が自分への当てこすりと思ったのかもな。
私も自分がこの騒動に巻き込まれたわけではないのだが、言いたい気持ちを以下の「」に入れます。
店側には、
「さっきからカウンターカウンターってうるせぇな。俺はカウンター席にいるじゃねぇかよ」
爺さん客には、
「杖ってのは自分の身体を支える為のモノだろ。床をドつくんじゃない」
グズグズ言ってる婆さん客には、
「老いたんだから子に、孫に従ったらどうだい?」
って思ったものさ。
タンメンで野菜を摂り終えた私はこんな老害現場に長居は無用と立ち上がった。だが、老害を引き出したのは店側の対応が頑ななのもあると思う。
婆さん客はタンメンを、爺さん客は肉そばをズルズルと美味そうにすすっていた。食べてるときは大人しくて静かなんだね。
いいトシして孫みたいな娘っ子を困らせて何がオモシろいというのか。それと店側もやたらとカウンター席を連呼し過ぎである。
会計レジ打ちはさっきの婆さん客とドン突き爺さん客に対応した気の毒な子だったので、
「タイヘンだったな。ああいう風にトシ取りたくないもんだ」
つい言ってしまったのだが、そしたらその子、ニヤッと笑ったんですよ。あまりいい笑顔じゃなかった。
私だって日に日に婆さん客と爺さん客の側になっていく。気の毒だなと思った気持ちは瞬時に消え失せた。娘っ子に阿った己がイヤになったのだ。
どっちもどっちだ。いっそのことガストみたいにロボットでも入れたらどうかね?