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あじいち

地元に「アザリエ団地入口」というバス停、信号がある。
でもそういう名前の町はない。集合住宅の名前でもない。昭和30年代後半に、どっかの業者が開発、開拓した戸建ての住宅地で「アザリエ団地入口」の信号から北へ数分、歩いた左手の丘の上の住宅地がそれ。
アザリエの由来はドイツの花であるアザレアから来ていると「はまレポ」にあった。今はそんな花はないが、ツツジのことですよ。
そのアザリエ団地入口から入って数分のとこに、町中華ならぬ町蕎麦屋がある。
「あじいち」という店で、10年以上前に数回利用したことがあるんだけど、ジャン妻が「あの店内の生活感むき出しがイヤ」そう言うので足が遠退いてしまった。
店1何年振りだろ店2
この日、ジャン妻は出勤して私は在宅勤務、自室でカタカタ打ってた。いやぁ捗るな。本社と違ってうるさくないし。雑音が入ってこないのがいい。
気が付いたら11時過ぎた。でも今日は例の小学校正門前にある町中華に行く気分じゃなかった。中華よりカツ丼の気分。小学校正門前の町中華にもカツ丼はあるんだけど、クオリティがイマイチなんだよね。
前に渋々載せた隣町にある店「M月」は味とレベルが各段にダウンしたのでそこもパス。思い出したのがこのアザリエ地区の「あじいち」は何年ぶりだろう。
店3
自動扉のボタンを押しても云でも寸もない。手動だった。
11時からの営業で暖簾も掛かっている。いつ前を通ってもボードにはこのセットにあたる確率が高い。
店4いつもこれ店5寒い店内2
テーブル席が5卓、向こうに小上がり席が2卓、実稼働4席だね。先客は2名様、私はTVが見える位置の4人テーブル席にひとりゆったり座っている。
深く座ると座布団ごとズズズッとズリ落ちるのだ。
向こうの小上がりの左端にジャン妻が嫌がった光景がある。ダンボールやら何やら積んであって生活感が丸だしなのだ。使われてない奥の納戸みたいである。
店内3生活感満載
とはいえ、アットホームではある。目の前で娘さんが賄を食べてた。私を見て慌てて立ち上がった。
「外のボードにあったカツ丼合わせ」
合わせです。セットとは呼ばない。
「冷たいのにしますか?あったかいのにしますか?」
「寒いからなぁ。あったかい蕎麦にしましょう」
娘さんは厨房にいるオヤっさんにオーダーを通したのだが、オヤっさんの野太い声が聞こえた。
「うどん?違うだろ。蕎麦だろ」
「あれぇ?」
引っ込んだ娘さんがまた私んとこに来て、
「お客さぁん。蕎麦でしたっけぇ?」
「蕎麦だよ。あったかいの」
「ごめぇんなさぁい。あったかお蕎麦でお願いしまぁす」
このユルさはどうよ。
店内1旧い刑事もの
表の看板見て決めたランチサービスのカツ丼合せ&温蕎麦は10分ほどかかった。
厨房で揚げてる音が聞こえたようだが、TVの刑事ドラマの音が小さくないのと殺伐としてる。上川隆也さんが主演の刑事ドラマがだった。
容疑者、チンピラに、
「誰々だな」
「てめぇっ」
「アンタ、逃げてぇ」(情婦か?)
「待てぇっ」
殺伐してるね。店ん中はユルいのにね。
メ店内4手動ドア
合わせ1合わせ2蕎麦1揚げ玉が浮いてる合わせ3カツ丼1
店で揚げてるんです。揚げたて。
さっき言ったここからほど遠くない「M月」なんか揚げ置きでだけどね。
小さめの丼に漆黒なイロと汁、天かすと胡麻が浮いている。ネギは別皿、
薬味ネギは別小皿
ネギを投入、バラ撒きます。
合わせ4蕎麦2ネギ散らす合わせ5蕎麦3合わせ6蕎麦4湯気がモワァ1合わせ7蕎麦5湯気がモワァ2
こういう店の温かい蕎麦はグニャングニャンしたコシのない屑みたい蕎麦を出す店が多いが、この蕎麦はそこまで悪くなかった。
熱々、湯気がモワァ、フゥフゥ吹き飛ばしながらいただく。
蕎麦よりカツです。カツ丼のカツ肉はレギュラーサイズの2/3かなと思います。揚げたてです。真ん中のカツを横倒ししたら汁がしみわたっているのがわかる。
縦横にカットされてるので食べやすい。
ブ厚くはないけどやわらかく、筋っぽい箇所は皆無。揚げ置きカツ丼と違って肉の中まで熱いのが何だかウレしくもある。
合わせ8カツ丼2合わせ9カツ丼3カツの断面よく沁みてる合わせ10カツ丼3合わせ11カツ丼4
玉子の溶き加減もいい。固まらない程度に火が通っている。タマネギもいい煮加減です。
あまり褒めてばかりいても何なので。この丼、底が平らな上げ底なんですよね。ご飯の厚さはそんなにないのだ。
小鉢が2皿付いてます。しっかりした大きさの黄色い沢庵が3枚と、マヨで和えた日高屋みたいなマカロニ。
黄色い沢庵
マカ
蕎麦はまぁよくありがちな蕎麦だが、カツはよかった。
会計に立ったら厨房に屈強の男性がヌオッと立ってた。年齢不詳で私より若そうだけどデカい。奥さんも迫力あった。
店6雨も降ってる
支払って出たら、オヤっさんが出前から戻ってきたところだ。
「どうもぉ、ありがとねぇ」
ってことは、店にいた屈強の男性は息子さん?2代目か。さっきのユルい娘さんのパパとお爺ちゃんなんだね。
なるほどこうして振り返って店の全体を把握すると2階は兼住居なのがわかるね。テナントじゃない。
店7出前カー1店8振り返る
この数日後、スーパーに向かうのにくるまで出たら、この出前ワンボックスカーとすれ違った。
「あ、あじいちさんだ」
「あの散らかった店。行ったの?どうだった?」
「味はM月よりよかったぞ」
「あ、そう。で、散らかってた?」
ジャン妻は店を憶えてたが、いちどそういう負の目で見ると抜けないもんだね。
せっかく再会したのに、私は年末にはこの町から出て実家に戻ることになるのだが。
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コメント

No title

こんにちは。

外観は普通の民家っぽいですね。
店の扉も手動ですか。
アットホームですね (^-^)

お店の中も、店員さんの対応も、
アットホームですね。

上川さんの刑事ドラマって、
「遺留捜査」かな。

No title

くまねこさんこんにちは。
住居兼でしょうね。だからぶっ散らかり方が客に見えても気にしないのだろうと。
自動扉も壊れたままです。あれって手動でだと重たいんですよね。
ときどき店の軽のワンボックスが近所を走ってます。出前もやってるみたい。
まだ営ってたんだと思いました。近侍でも普段足を踏み入れない地域ってあるじゃないですか。そのエリアの中にあります。思い出して良かったです。
慰留捜査、かなぁ。セットやロケ風景がひと昔前のような。
昼の時間帯だったし。何か過去の再放送にも観えましたが。
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