2023/11/18
SL
横浜駅東口そごう下にあるバスターミナル、今から高速バスで東京湾を渡るのだ。向こうに着くのは早くて10:30かな。
浦安にある夢の国へ向かうバスは激混みで嬌声まであがっている。バスの中でもさぞかしうるさいだろうよ。
でもこっちは混んでない。ガラ空きだ。
「木更津方面へ向かうバス、まもなく発車しまぁす。ご乗車の方、お急ぎくださぁい」
アタマをツルツルに剃って磨いたバス会社職員が絶叫に及んでいた。
前をいく路線バスは横浜市営バスの105系統、私は前職で今のバスターミナルからこの105系統を利用して本牧の工場敷地内にある某零細子会社に勤めていたんだ。
前職には13年勤めた。時間外勤務時間が60hを超過すると積み立てて賞与にプラスされた。22:00過ぎると路線バスがなくなるのでくるま通勤に切り替えた。その過程で本牧「大将」を知ることになる。最近、行ってないな。
扇町辺りのトンネルに入ったら、
ガガガガガーン!
前方で凄い音がした。運ちゃんはスピードダウンして前方を伺っている。まさか事故じゃないだろうな。海底トンネルは逃げ場がないからシルベスタースタローン主演の「デイライト」みたいになったらタイヘンだぞ。
だが案ずることはなかった。トレーラーのブレーキの踏みが強く、積み荷が鉄か何かだったんだろう。
千葉へ逸れるJCT辺りで多少渋滞したが、その後はスイスイ、海の向こうに着いた。
まだ時間があるので駅界隈をグルッと廻った。
寂れていた。殆どがシャッター商店。夜はアヤしくそこだけ光るのかもしれないが。
11:00過ぎた。駅東口に戻った。
JR職員さんが2人、SLに入らんとメニューを見ていた。
メニュー写真はガラス窓の向こうに外に向けて貼ってあって、陽に焼けて色褪せている。
プラス、光で反射して美味しそうに見えない。
東京湾に面しているからか、麺の具にアサリやワカメが入ってるようだ。
JR職員さん2人に続いて私も店内に入った。職員さんは券売機の前で何するか決めかねている。
2人で来るからだよ。相手のメニューに合わせてヘンな気を遣うとこうなる。
「あ、先にどうぞ」
私は頷いて1000円札を1枚突っ込んでピーガッチャン、焼きそばをONしたが、足りないだろうと思ったのでもう1枚1000円札を突っ込んでピーガッチャン、半チャーハンをONしてしまった。
こないだと同じカウンター席、上に紙券を置いた。
「半チャーハン入ります、焼きそばぁ」
こないだ来たときとひとりは顔ぶれが違うが、屈強の男性3人が餃子を仕込んでいた。その手をいったん止めて中華鍋に向き合おうとしたが、まだJR職員さんのオーダーが入ってないのである。
まだ決めかねているのか。何をモタモタしとるか。そんなんだから運転見合わせ~運転再開まで時間がかかるんだよと心無い悪態を心中で放つ私。
2人はテーブル席に座った。券を持ってですよ。席に向かうまでに券を渡せばいいのに。食券は電車の切符じゃないんだけどねぇ。
「餃子ぁ、焼きそばもうひとつぅ、野菜つけぇ」
ホラ焼きそばが私と被った。厨房で中華鍋を握った兄弟子さんは、まだ間に合う、2人分を1回で出せるとばかりに急いで麺と具を再度、投入した。
焼きそば、キャベツ、もやし、細切ニンジン、豚こま肉、青海苔がパラパラ、
やわいそばでね。持ち上げて噛むとボロボロ切れて落ちるのよ。
それと味が薄いですな。病院食までいかないけどそれに近い薄味だ。
地元町内会で開催された納涼祭で出された焼きそばを思い出した。味が薄かったり濃かったりマバラだったなぁ。
焼きそばと半チャーハンにそれぞれ添えられた紅生姜、いつもは要らないので邪険に扱うんだけど、味薄なのでこの紅生姜があってよかったと思った。
こういう店でこの時間帯だとTVだったら見たくもないくだらないワイドショーを見せられるが、この店にTVはない。だがニッポン放送「テレフォン人生相談」を聴きたくもないのに聴かされるハメになった。
アドバイスが厳しかった。相続の問題らしいが、相談してきた相手が手ぬるかったのにイラついてた感がある。
「相続分を弁護士に相談なさい。私に至らぬところがあったのでは?相手を思いやって、布団被って寝てても物事は解決しないですよ」
番組の正式名がわからないのでHPを検索した。
『人生には様々な喜びがあり同時に苦しみや悩みもあります。人に言えない、誰にも相談できない悩みや苦しみ。そんな時いくらかお役に立てれば…というのが、この番組です。各界の専門家があなたのご相談に応じます。』
誰にも相談できない苦しみや悩みを全国放送の電波に乗せちゃうんだから凄い長寿番組だよねぇ。
喰い終えて自分の業務スタート、窓口で少々カチンとくる反応をされたがグッと堪えて今日のところは無事に完了した。
あと最低2回は高速バスでこの地に来ることになる。
陽が高いので直帰なんかしない。だいたい海の向こうで直帰したって意味ない。帰社するにも帰宅するにも戻って来なきゃならないんだから。東京本社に帰社した。
帰社したら待機中の後続部隊に質問された。
「直帰じゃなかったんですか?」
「まだ陽が高いだろーが」
この辺り、ウチはユルいんですよ。コロナと在宅勤務普及でユルくなったね。
後続部隊が質問してきた。
「高速バスって混みます?」
「夢の国(ディズニーのこと)方面は混むけど、俺らの行先はそうでもない」
「座れないってことありますか?」
「今んとこないな。補助椅子とかあったかな」
「事前に乗車券買うんですかねぇ」
「買わないよ。Suicaでピピッと行けるさ」
「ええっ!高速バスなのにSuicaが使えるんですかぁ?」
(ー”ー;)←うるさい質問責めに辟易した私のカオ。
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