2023/11/02
キムチ丼相楽、工事その後
本厚木駅に向かって減速する小田急線の車窓から「相楽」が見えた。
前回の工事はひと段落したのか、工事重機は無かった。周辺はアスファルトで再整備され、一部が普通車両の駐車場になっているようだ。
「相楽」が工事フェンスで囲われているようにも見える。実は工事したのは「相楽」ではなく周辺なのだが。
幟は出ている。安堵する。だがいつ潰されてもオカしくないロケーションである。
敷地内外はしっかり区分されていた。
店で使われる扇や製麺店を仕入れる脇道は残っているのかどうか。
私は歩きながら「相楽」と背後の工事現場を見てるので、視線が右寄りで、反対側である左のバスロータリー側を全く見ていない。
そこにはある風景の変化があったのだ。店を出てから「おおっ!」驚きの光景に気付くことになる。
本日のおすすめはなんじゃいな?
豚キムチ丼セットぉ?
そんなん初めてみたな。
季節は秋になったが今日は涼しくも何ともない。朝晩はともかく日中はまだ晩夏、残暑の気配である。キムチ丼を食べたら発汗したりしてな。
前にキムチラーメン食べて私にはかなり辛かったのを覚えているけど。
引き戸は網戸だった。いつものサッシ扉より軽い。
網戸の滑車は丹沢連峰から吹きつけてくる砂も噛んでない。すんなり開いた。
だが力の入れ方を間違えると外れかねない網戸だった。
時が止まったような店内に先客が4人いていずれもひとり客、私は5人め、誰もキムチ丼セットなんて食べてないぞ。
ママはバタバタしている。
「いらっしゃいませっ」
肩で息してるな。
「本日のセット、キムチ丼だっけ。それ」
「ハイ、スープは?」
「こってり」
「お願いしますっ」
「アァィ」(店主の声)
「セットっ!こってりっ!」
ママは絶叫に及んだ。
エアコンは止まっている。扇風機も稼働していない。何だか暑いので、マンガ本棚のサイドにブラ下がっていた内輪を取り上げてパタパタ仰いでた。
だからといって「暑いですか?エアコン入れましょうか?扇風機廻しますね」なんて絶対に言いそうにないママである
私はカウンター奥にいる。私がいる右に使われなくなった冷蔵庫?何かのボックスがデンと鎮座していて、ママは右側からそのボックスに前倒れするように細腕を思い切り伸ばして、
「お待たせしましたっ」、
腕がボックス越しにカウンターに届かないのである。私は受け取った。
見るからに辛そうなキムチだな。(辛くないキムチなんてあんのか?)
ほんの少し摘まんで噛んだだけで、喉にキムチの「辛い氣」が充満して「ゲホゲホゲホッ」ムセたぁ。
こりゃ辛いワ。
キムチは後にしよう。舌が麻痺してラーメンの味がオカしくなる。
もう慣れきったラーメン、いつも安定したスープ、チャーシューー、メンマ、海苔、小松菜、背脂、麺は扇や製麺、強いウェーブの縮れ中太麺、
このトシで背脂、ラードを好むとは困ったものだが。
いつの記事だったか、とあるラーメン店で背脂多め多めで注文したら、会計時に追加した背脂代が100円プラスになってたと。
プラス請求するなら、店側は料金がかかることを出す前に伝えるべきだと。
それについては私も一理あると思ったが、こうも考える。今はもう何でも無料になるわけではない。追加加算はおかしな事ではない。無料であるなら感謝するべきで、有料なのは当たり前くらいの感覚でいた方がいいと思うのだ。
二郎系なんかだと周知の如く、野菜マシ、ニンニクマシ、アブラマシなんかは無料と掲示している店が多い。それが当然の傾向にも見える。
他の店でも、麺大盛りを無料とか、ネギマシ、味玉やチャーシュー、メンマ、幾つかあるトッピングのどれかを無料にするとかは、店が生き残る為のサービス、差別化なのです。
ここで言ってるのは、吉野家の紅生姜とか、ロメスパ店の粉チーズとか、きゅうりのキューちゃんとか、もうなくなったけど一風堂の辛いモヤシとか、卓上に置いてある「ご自由にどうぞ」(※)のことではないですよ。ラーメンという大きい丼の中に入っているもののマシについてです。
「相楽」で背脂マシする客を見たことはないが、今後はもう背脂を豆腐の湯葉のような副産物に捉えない方がいいと思うんだな。背脂やラードも原料費の高騰に含まれるし、それを抽出する業者さんの人出不足があるし、調理人の手間もあるからね。
背脂=100円が適当なのかわからない。脂抜きにしたらその分が引かれるかというとそれもないだろう。この店にはスープが3種類あるが、背脂入りのこってりと、無しのあっさり、ピリ辛も同価格である。
(※)こういうのが無くなりつつあるのは、コロナのせいでもあるが、おバカなYouTuberがSNSにアブない動画をUP、拡散したのも原因である。)拡散したのも原因だよ。
そのままだと辛いのでキムチをスープに浸してみる。
背脂(ラード)から出る甘味でキムチの辛さが幾分マイルドになった。
ひとり、ふたり、会計して出てった。入れ替わりに2人連れが2組、入ってきた。ママは忙しそうだ。バタバタしている。走らなくても良さそうなものだが。客の流れの合間を見て会計した。
「いつもありがとうございます」
いいえ、どういたしまして。忙しそうなので裏手の工事影響は聞けなかった。店を守るように新しいアスファルトが敷かれてたからしばらくは大丈夫だろう。
店を出て気が付いたのだが。
店前の雑草が無くなっていた。青々と生え茂っていた草は刈られ、アスファルトで馴らしてあった。段差が無くなり、スローブのようになっていた。
店に入るときは工事現場側(右視線)を注視していたので、反対側のバスロータリーに面しているこの変化に気が付かなかったのである。
何だかツルンツルンに見える。公道区画の草は刈られたが「相楽」の敷地内に残る雑草は刈ってくれなかったらしい。
その辺り、公有地と民有地の境目は遵守するんだなと思った。
スポンサーサイト
コメント
No title
雑草も行くところが無くなって、ますます建物に絡み付いたりして😅
2023/11/03 17:15 by みー URL 編集
No title
頑張ってますね。店はボロだけど強い巌のようです。何だか凄みすら感じます。
雑草は秋から冬に向かっていったん枯れて、また伸びてくるんじゃないですかね。
枯れた蔦が絡んだ風景もいいものです。
心配のタネは続きますけどね。
2023/11/03 17:56 by ジャン URL 編集